逃げきれたと思ったのに、目の前にさっきの男の子が現れた。
他の柱も現れた。囲まれた…
どうにかして、逃げないと。
私は覚悟を決めて日輪刀を鞘から抜いた。
日輪刀をゆっくりと柱に向けた。
私は今までで一番速いくらいの速度で走り出した。
さっきの男の子がまた追いかけてきた。
この森の奥には谷がある。その谷には流れの速い川が流れていた。
私達はついにそこまで来てしまった。
そう言って、彼は私に近づいてきた。
私は鬼殺隊になんて、行くわけない。
前からそう決めてた。
だから、
覚悟…できた。
大丈夫。
そろそろ行くか…
私は、谷に飛び降りた。
時透said
お館様の指示で、女の子を鬼殺隊に入れさせる説得をしに行くことになった。
目の前に谷があらわれ、速度を緩めて走っていた彼女にそう言った。
彼女は心底驚いたように言った。
こんなところで時間無駄にできないのに…
彼女は小声でなにか言った。
もう逃げられないじゃん。
なんなんだろう…お館様の意思もしらないで。
そう言った後、彼女は谷に飛び降りた。
谷の下の川から音がした。
本当に飛び降りたんだ…!!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。