《ええっと…まぁ。》
《ナタ姐!》
《でも。どうして急に…ボスを撃てって》
《ちょ。ナナ。やめてなよ》
《今は僕が聞いてんの。お姉ちゃんは黙って》
《もー!そーやってはぐらかす!》
《もういいでしょ!?ナナ。変わってよ!》
《…で。ナタ姐はあの子…ロカをどうしたいの?》
電話越しにそっと呟く。
無意識に溜まった涙のせいで声が小さくなった
…ちゃんと聞こえてたかな。
《ほんとに?》
《ふふ》
《だって。ナタ姐が迷ってるんだもん》
《迷ってるもん。だってナタ姐。
気付いてないかもだけど迷ってる時
いつも繰り返すんだもの》
《なにもないって》
《ほら…本当はロカを救いたいんじゃないの?》
《…はぁ。》
後ろから声がした。
電話越しじゃない。
生身の声。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。