第16話

き み へ … ①
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2019/06/27 13:53
今日から始まる高校生活。



私は胸を高鳴らせて教室へ向かった。



私あなたは何の変哲もないただの女子高生だ。


ただ一つみんなと違うことは、恋に奥手であるということ。


周りの友達にはみんな彼氏がいる。


だが、こんなに暗い私なんかに彼氏ができるわけでもなく、今まで18年間恋愛などしてこなかった。


けれど今年は、違った。






ホームルームで奇跡は起こった。
担任
担任
はい、今日は転校生が来ている。岸くん、入って。
優太
優太
はい。
先生に呼ばれて入ってきた岸くん(?)に私は目を奪われてしまった。
優太
優太
岸優太です。よろしくお願いします。
声にもみとれ、私の心臓はバックバクだった。
担任
担任
えー、じゃあ、岸くんの席は…あ、そこにしよう!あなたの横空いてるからそこ行って。
優太
優太
分かりました。
先生にそう言われた岸くんは私の横の席に着いた。
優太
優太
あなたさん、だよね、?よろしく。ニコッ
あなた

こ、こちらこそ、よろしく、!

あ、笑ってくれた。私はこの気持ちがなんだかわからなかったけれど、岸くんが悪い人じゃなさそうでよかったという安心とドキドキの心情が混ざっていてパニック状態だった。


















そして、授業がひと通り終わり私が帰ろうとしている時、岸くんが話しかけに来た。
優太
優太
あなたさん、この後予定って、ある、?
あなた

この後は…一応部活あるけど、なんか、あった、?

優太
優太
俺、まだ学校のことわかんないからあんない、してくれないかなって、思ったんだけど、部活なら、仕方ないよね、。
岸くんはホームルームが終わった瞬間からいつも元気な私とは正反対のグループの子達に引っ張りだこにされていた。
あなた

で、でも、岸くん、、あの、廉くんとかと、仲いいよね、?廉くんたちじゃなくていいの、?

優太
優太
ああ、永瀬はなんか忙しそうだったから。それに、ゆっくりあなたさんと話せてないから、、あなたさんが嫌なら、いいんだけど…
あなた

岸くんが、そういうなら、喜んで、!

優太
優太
ほんと!?ありがとう!!
あなた

じゃ、じゃあ、行こっか!

優太
優太
おう、!
そこから1時間私は岸くんに校内を隅々まで案内した。
優太
優太
今日は、ありがとう!あなた!
いつの間にか岸くんは私のことをあなたと呼ぶようになっていた。


1時間の校内案内中、何度も私の心臓は爆発寸前になった。



この気持ちがなにかはわからないが、やっぱり、初めて感じるものだった。






























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