第4話

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2019/03/01 06:47
結局、今年もお母さんとお父さんは帰って来なかった。

六華
…分かってたよ
お母さん達にとって花が1番なんだもん

病弱だけど可愛い花

いつだって私は後回し


あの時だって…
六華
お、かあっさ…
けほっ…まま…
あの日、私と花は熱を出していた。

前の日からなんかだるいとは思っていたけど、花も風邪をひいていたので黙っていた。

でも、それがいけなかった


朝起きると、私は起き上がれないほどになっていた。


これはおかしいと思い、ベッドから降りると、立つこともできなくて倒れ込んだ。


その音で花も起きて、お母さんも来た。

助けて

そう思っていたのに

お母さんは私なんて無視で花に駆け寄った。


花?!大丈夫?
六華
おかあさ…
六華、何地面に寝転がってるの
花を病院に連れていくから留守番よろしくね
六華
まっ…ゲホッゲホッ
お母さんは私のことなんて見もせずに、そそくさと家を出て行った。
六華
うっ…おぇぇ
ついに私は部屋で倒れ込んだまま吐いてしまった。

何度か吐いても気持ち悪さは治まらなかった。


そして、だんだんと何考えられなくなっていき意識をなくした。

それでもやっぱり私は強いらしく、目が覚めた頃には少し楽になっていた。


暗くなったリビングをフラフラとさまよい、水を飲み熱を測ると37.5

平熱が低い私にとっては少し辛いけれど、そこからはすぐに下がって行った。
ただいま…
お母さんが帰ってきて、私は体調が悪かったことを言おうとした。
六華
お母さん、あのね…
どうして花が熱を出してたのを直ぐに言わなかったの!
六華
え?
あの子、悪化してまた入院ですって…
六華
入院…
貴女はもっと周りを見れるようになりなさい!
六華
結局いえなかった。

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