結局、今年もお母さんとお父さんは帰って来なかった。
お母さん達にとって花が1番なんだもん
病弱だけど可愛い花
いつだって私は後回し
あの時だって…
あの日、私と花は熱を出していた。
前の日からなんかだるいとは思っていたけど、花も風邪をひいていたので黙っていた。
でも、それがいけなかった
朝起きると、私は起き上がれないほどになっていた。
これはおかしいと思い、ベッドから降りると、立つこともできなくて倒れ込んだ。
その音で花も起きて、お母さんも来た。
助けて
そう思っていたのに
お母さんは私なんて無視で花に駆け寄った。
お母さんは私のことなんて見もせずに、そそくさと家を出て行った。
ついに私は部屋で倒れ込んだまま吐いてしまった。
何度か吐いても気持ち悪さは治まらなかった。
そして、だんだんと何考えられなくなっていき意識をなくした。
それでもやっぱり私は強いらしく、目が覚めた頃には少し楽になっていた。
暗くなったリビングをフラフラとさまよい、水を飲み熱を測ると37.5
平熱が低い私にとっては少し辛いけれど、そこからはすぐに下がって行った。
お母さんが帰ってきて、私は体調が悪かったことを言おうとした。
結局いえなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。