とりあえず、本人を探して見張らなければ。
教室を見回すが、大体の特徴は教えてもらったので、顔は何となく分かるだろうが、本人はどこにもいないようだ。
性格などが激しいと冨岡先生は言っていたから、校庭かな?と仮定して校庭へ行くことにした。
案の定、冨岡先生が言っていた通りの人物が程なくして見つかった。
でも、その件の子に私は目を奪われてしまっていた。
という感じで噂通りの人達はクラスの男子とサッカーをして遊んでいた。
みんな顔立ちが整っているが、その中でも一際目立つ美少年が多分、嘴平君だ。
まつ毛が長くて西洋風の人を思わせるような碧眼。
口が悪いのと着崩しを除くとまるで王子様のみたい……。と思ってしまったほど、その子は綺麗な顔だったのだ。
しまった。この学園顔面偏差値やばいから免疫はあるけど平凡な人は面食いになってしまいそうで怖い。
そう考えて見ていると嘴平君は、
と言ってこちらに走ってくるではないか。
なんでこっちに来るの!?
続く
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。