ー学校ー
教室に駆け込んでギリギリセーフ!!
と思いきや……
ああああああああぁぁぁ、間に合わなかったぁ!!
そう言った時に、後ろの方の席が見えて、ハッとすることとなる。
な、なんとさっき会った玄弥君がいるではないか……!
息も切れてなくて遅刻すらしていない。
にしても、同じクラスだったのか。
私の体力の無さがよく分かる……。
隣の席の炭治郎君が水筒を差し出して心配してくれている。
でもよく考えてよ。炭治郎君。
それ間接キスだからね……。天然め!
しかも女子の視線が痛いんだからそういう事しないで欲しいなあ。(天然だけど!!)
とりあえず上手く誤魔化せたんじゃないかな。
それにしても、玄弥君は運動神経がいいんだなぁ。
後で何の部活入ってるか聞いてみよっと。
ーSHR終了ー
SHRが終わったので、何の部活をしているのか聞きたいがために玄弥君の席へと急ぐ。
自分でも一気に喋りすぎたな、と思いながら彼に話しかける。
玄弥君は私がいきなり来てびっくりしてしまっているようだ。
さっきからフリーズしてしまっている。
三十秒後ようやく彼は動き出し、口を開く。
若干引き気味で玄弥君は答える。
なんかめっちゃ恥ずかしい……。
ごめんね玄弥君。
そう言うと玄弥君は
後半めちゃくちゃ小さい声でそう告げる。
そうかそうか。なるほどねぇ!
思春期真っ只中の男子だもんね!
微笑ましくて何だか笑ってしまう。
あ、話が逸れてた!
何の部活してるか聞こうっと。
また一拍空けて玄弥君は
えええ!すごい!
射撃部って、大会優勝した部じゃん!
そうやって聞くと彼はその事を思い出したのかプルプル小刻みに震えてしまった。
え、なんかダメなワードだった?
なんかよく聞こえないけど、悲しい事があったんだろうなぁ。
そう考えていると、
キーンコーンカーンコーン
あ、予鈴だ!
次の授業の準備をしなければ!
そうやって(半ば私の強制で)会話を終え、私は授業へ向かった。
ー続くー
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。