ー数日後ー(朝)
ま、まさか大手のニュース番組だったなんて……。
なんと放送されたのは『め●●しテレビ』だったのだ。
バッチリ無一郎君のあの質問の答えと私が映し出されている。しかも交際相手と書かれていた。(流されすぎてない……?)
そう考えていたら無一郎君からLINEが来ていた。
そういえばLINEを無一郎君とてんやわんやで交換していたな。
内容は、『ニュース見た?あなた映ってるよ〜♪』という感じで、自分のことは全く気にしてないみたいでびっくりした。
『無一郎君も映ってるじゃない(苦笑)』と返事を送って家を出る。
通学路を一人歩いていたら、ガラが悪そうな男の人たちがいた。
人を見た目で判断しちゃダメだと分かってても、怖そうな人たちだった。
そんな私の考えは正しかったと言える。
その人たちは早足で自分の隣を通り過ぎようとする私を捕まえて、
いきなりそんなことを言ってきた。
やばい、絡まれてしまった。
でもこんなこと言って絡んでこられたことなかったから足がすくんで動けない。どうしよう。
この人は私をだいぶお気に召してくれたようだった。ひぇぇ、どうしよう……。
喧嘩とか売ってないんですけど!?
しかも、やばい、殴られちゃう!
そう思っていた時だった。
続く
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!