帰ってきてすぐ俺はゲームのスイッチを入れた。
が、これからモンスターを
狩りに行こうとするその時に部屋のドアが開く。
顔を覗かせたのは兄のユンギだった。
ユンギは平凡そうな見た目をしてはいるが
腹の中はそうじゃないことを俺は良く知っている。
そして、どうやらユンギ一人じゃなかったようで
部屋にはユンギとその友達と思われるイケメンが入ってきた。
イケメンは俺のことをじろじろと上から下まで見た。
イメージって何だ?と俺は視線だけでユンギに聞く。
しかしユンギはニヤリと笑うだけで
何も説明する気は無いらしかった。
言っている意味は分からないが
目が合ったので俺は一応挨拶をする。
にこやかに笑うイケメンは
笑うとさらに爽やかでかっこ良かった。
俺を紹介するだけってわけでもないだろう。
ユンギが何を言いたいのか
良く分からなかったので聞き返す。
俺は酷く動揺する。
ちらりとイケメンを見ると照れたように笑っていた。
実を言うと俺とユンギには肉体的な関係がある。
だが、初めから今まで俺達の関係には
愛し合うというものはない。
ただ快楽を求めあっているような関係だった。
初めはユンギのイタズラでそれから何度も体を重ね
俺はすっかり男の味を覚えてしまっていた。
耳元で囁くように言う声に俺は腰を抜かしかけた。
確かにユンギはこの頃マンネリ化を訴えていた。
ということはつまり俺は
ユンギヒョンとスニョンの相手をするということなのか?
床にの甘く悪魔のような誘いに
俺は脳が麻痺していくのを感じる。
俺の体はもうユンギによって躾られていた。
-続く-
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。