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第15話

繰り返し一粒
俺は誰よりもスニョンが好きだった。
スニョン
スニョン
愛してるよジフナ
ジフン
ジフン
俺もだよスニョア
当然、スニョンも俺の事を
好きでいてくれていると思っていた。


その優しい笑顔に
偽りなんてないとずっと信じていた。




外もだいぶ暗くなって来た頃。





ダンス部の練習が終わった後の体育館で
俺はたった1人ダンスの練習をしていた。


俺はダンスが苦手なのでなんとか
まともに踊れるようになりたいと思っていた。



どうして、こんなにも上手くいかないんだろう…




俺は自分のダンスの才能の無さに落胆しつつ
床に置いてあるスポドリを取りに行った。


が、俺がたどり着くよりも先に
そのスポドリは何者かによって拾い上げられた。


その人物とは俺の入っている
ダンス部のリーダー、スニョンであった。

スニョン
スニョン
ジフナ今日もまた居残り練習?
ジフン
ジフン
…スニョア
スニョンは俺をダンス部に誘った人物であり
そして俺の恋人でもある。
スニョン
スニョン
あと少しで下校時刻だよ
良かったら俺と帰らない?
ジフン
ジフン
うん
スニョン
スニョン
ジフナは制服に着替えておいで
床は俺がモップがけしとくから
ジフン
ジフン
ありがとう
俺は腕で汗を拭い
そのままロッカールームへと急いだ。


ロッカールームにはもちろん誰もおらず静寂を保っていた。



スニョンはいつも優しいな…



ブラウスのボタンを止めながら
俺はスニョンの事を考えていた。



優しいだけじゃない

スニョンにはチームをまとめる程の力もあるし
なによりダンスが上手い



そういうところに俺は憧れ
そして惹かれていったんだな…



…それに比べて俺はまだまだだ



そう思うとスニョンとの距離が
少しだけ遠くなったように感じた。



もっと頑張らなきゃ



決意をあらたにしブレザーの最後のボタンを止めた。


鞄を持って体育館の外に出ると
スニョンがそこで待ってくれていた。

ジフン
ジフン
ごめん、待った?
スニョン
スニョン
そんなことないよ
ジフン
ジフン
なら良かった
スニョン
スニョン
今日の鍵当番はジフナだったね
体育館の鍵は閉めて来た?
ジフン
ジフン
うん
鍵もちゃんと返してきた
スニョン
スニョン
そっか
なら行こっか
ジフン
ジフン
おう
そうして2人は歩き出し学校の校門を出た。 


繋いでいる手がとても暖かい。


俺は少し幸せな気持ちになった。
スニョン
スニョン
それにしても今日は寒いな
ジフン
ジフン
そうだな…特に夜は冷え込む
肩を震わせながら俺は寒そうに息を吐いた。
スニョン
スニョン
17時半の時点でもうすっかり
暗くなってるからね…そうだ!
こうすれば暖かくなるかな?
そう言ってスニョンは繋いでいた手を離し
俺を優しく抱きしめた。


突然の抱擁に驚いた俺であったが
すぐに幸福感に満たされぎゅっと抱きしめ返した。
ジフン
ジフン
…すごい暖かい
2人は笑い合いどちらからともなくキスを交わした。



…ああ

ずっとずっと

続けばいいな



俺はそう思わずにはいられなかった。


だが、その幸せはすぐに崩れる事となる。




ダンス部は13人いた。


練習を重ねるごとに
みんなどんどん上手くなっていき
強豪校と言われるようにまでなった。



他の学校のダンス部とは桁違い。

話にもならない。



そして俺とスニョンの関係は
同時期に崩れ去ってしまうことなど
その時の俺はまだ知る由もなかった。




スニョンはダンス部が
強くなってから変わってしまった。


彼の笑顔には何の感情もないように思えてしまう。


キスだってセックスだってなんだってしてくれる。


でも、そこに愛を感じなくなってしまった。


前とは明らかに違うまるで…別人のような表情。


それでも俺は愛することを
やめるなど到底できなかった。


いや、できるはずがない。


だって、どんなに変わってしまったとしても
俺の大好きなスニョンには変わりないのだから。



きっと心のどこかで

少しだけでも

俺の事を愛してくれているはずだ。



そう、きっと、きっと



しかし俺はとある会話を聞いてしまった。





時は高校3年の1学期。


いつも通りジャージに着替えて部活に臨もうと
俺がロッカールームのドアに手をかけた時だった。

スニョン
スニョン
ジフナはもう使い物にならない
ドア越しに聞こえてきたのはスニョンの声だった。 



…え?

スニョン今、なんて…




俺は動揺した顔で
その場に立ち尽くしていた。


なおも、スニョンの言葉は続く。
スニョン
スニョン
足を引っ張るやつはいらない
ドギュム
ドギュム
それはジフニヒョンを捨てるってこと?
スニョン
スニョン
ああ…そうだ



それら全てを聞いた瞬間


俺の目から涙が頬を伝い落ちていった。


何故ドギュムとスニョンが
そのような会話をしていたのかという疑問よりも先に
俺は信じたくもなかった事実に直面していた。




俺を、捨てる?




ずっと不安に思っていた事が
現実となって俺に降り掛かって来た。



そうか

やっぱりスニョンは

最初から俺の事なんて…



途端、胸が痛んだ。

結局、俺は愛されてなどいなかった。 


所詮俺はスニョンの玩具


飽きたら捨てられてしまう玩具


俺の代わりなんていくらでもいたんだ。


…だれでも、良かったんだ。



『愛している』なんていう言葉は
スニョンにとってほんの軽いフレーズに過ぎなかった。


俺はただの便利な道具


スニョンの目にはそうとしか見えていなかった。



今まで俺はスニョンに遊ばれていたんだ…



別に怒りはしなかった。


ただただ『悲しい』という
感情だけが波となって押し寄せてきていた。


どうしてあの時
俺は君を好きになってしまったのだろう。



どうして、どうして…



どんなに後悔したってもう元には戻らない。


そんなことは

もうすでに分かっているのに…


それでもまだ君を
愛してしまっている自分はとんだ愚か者だ。









ドギュム
ドギュム
ジフニヒョン


それから数週間後。


俺はドギュムに呼び出されて
人気のない校舎裏に行くなりいきなり名前を呼ばれた。


そして真剣な表情でドギュムは話した。
ドギュム
ドギュム
スニョニヒョンはジフニヒョンを
ただの道具だとしか思っていない
すでに知っていたことだったが
俺は他の人にまでそれを再認識させられ
目を大きく見開いた。
ドギュム
ドギュム
愛を囁くのも
体をよく動かすためなんだよ
ドギュム
ドギュム
ねえ、なのにどうして
ドギュムは俺を守るようにして抱きしめた。
ドギュム
ドギュム
どうして、こんなにも…ッッ











その様子を偶然にもスニョンは見てしまった。


驚いた表情で2人を見る。


だがスニョンはすぐに
何事もなかったかのようにその場を去った。
スニョン
スニョン
(優勝するための道具、暇つぶしの玩具)
スニョン
スニョン
(それ以外に感情なんて…ない)











ドギュムに言われ
しばらく黙りこくっていた俺であったが
数十秒後にやがて口を開いた。
ジフン
ジフン
分かってる…分かってるよ
喋りだした俺を見て
ドギュムはゆっくりと体を離した。
ジフン
ジフン
利用されてるだけだって
スニョンの心はここにないって
ジフン
ジフン
偽りの温もりだって
感情を完全にあらわにする俺を
初めて見たドギュムは少なからずも驚いていた。


俺はそのまま続けた。
ジフン
ジフン
でも!それでも…全てが偽りだとは思えないから
ジフン
ジフン
どんなに傷ついたって
スニョンの傍にいたいんだ
それを聞いたドギュムは切なそうに俯いた。
ドギュム
ドギュム
…ジフニヒョンは綺麗すぎるよ
(だからこそいつか壊れてしまいそうで怖いんだ)















-スニョンside-









乱される

乱される

乱される


思考にノイズがかかる。


くだらない映像が繰り返される。


あいつはただの道具


なのにどうして

温もりが失われるような…俺らしくもない。
ジフン
ジフン
スニョア大丈夫?
俺の目の前には心配そうに
俺の顔を覗き込むジフン…もとい玩具が、いた。


そう

ただの道具であり

暇つぶしの玩具

どうでもよかったんだ

都合良く動く駒であれば
スニョン
スニョン
(違う)
思い通りに動かなければ力ずくで理解させた。 


偽りの餌も与えた

心なんてなかった

心になんて興味がなかった

自分の感情にも、ジフンの感情にも
スニョン
スニョン
(違う)
使い物にならなければ切り捨てる。 


その程度だろう。
スニョン
スニョン
(違う)
スニョン
スニョン
(本当は愛してた)
本当はずっと愛していたんだ。
スニョン
スニョン
(失うのが怖かった)
スニョン
スニョン
(だから偽った)
スニョン
スニョン
(嘘を吐いたつもりだった)
スニョン
スニョン
(本心ではないと)
スニョン
スニョン
(愛してなんかいないと)
スニョン
スニョン
(ただの使い捨ての道具だと)
スニョン
スニョン
(誰に奪われようと関係ないと)
スニョン
スニョン
(本当は)
スニョン
スニョン
(本当は何よりも)



違う 違う違う違う!!



…ああ、もう


面倒だ

ジフン
ジフン
…スニョア?


もう、お前なんて



スニョン
スニョン
犯してやる




-END-



ボカロの
『繰り返し一粒』
本当に好きなんですよー😂💕


どうだったでしょうか?


良かったら是非
この曲、聴いてみて下さい\(^^)/☆