タケミっちはドラケンを背負って歩く。私はその隣を頑張って着いて行った。
するとドラケンが血を吐いて目を覚ます。
…スゴいなタケミっち。
自分より何倍もデカいドラケンを背負ってここまで歩いてる。挫けたっておかしくないのに。
すると後ろからヒナちゃんとエマが走って来た。
そう言うと安堵からか、エマが涙を浮かべた。
エマの膝にドラケンを寝かせ、休ませる。
ヒナちゃんに手を貸してもらって座る。
あー、マジ痛ってぇ…血も全然止まんない。
するとタケミっちの顔が凍る。
視線の先を見ると、私とドラケンを刺した奴、そしてその後ろに何人か東卍の特攻服を着た奴らが歩いて来ていた。
けどそれはケガで叶わない。
だがこれぐらいは良いだろう。
嘲笑って言う。
とにかく、ヒナちゃん達を避難させないと…
そう思い隣を見ると、タケミっちが後ずさって逃げようとしていた。
ドラケンがそう言うと、エマの膝から起き上がる。
私はそう言うヒナちゃんに笑いかける。
もう呪術を使わないなんて言ってられない。
使えば慣れていない、ケガしたこの体には限界が来るだろう。
でも私だけじゃない。ドラケンやタケミっち、ヒナちゃんにエマも危ない。
だから……。
「みんなを連れて逃げて。」そう言おうとすると、
タケミっちがいきなり叫んだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。