第113話

112話
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2021/08/05 08:36
今日は午前授業があり、学校が終わってそのままとある病院へ行く。



ここかな…



通路を曲がると、もの凄い怒声が聞こえてきた。



何なに?



急いで目的の場所まで行くと、ドラケンが頭を下げ、その隣にはマイキー。そして2人の前には夫婦と思われる人達がいた。



男性の方が何やら声を荒らげているようだった。
マイキー
マイキー
頭なんか下げんなよケンチン。オレら悪くねぇし。てか、何八つ当たりしてんの?このおっさん。
父親
っ……この虫けらが!!夜中に騒音撒き散らすだけで、貴様らは既に社会のゴミなんだッ!!
母親
やめて下さいお父さん…!
(なまえ)
あなた
…マイキー?何してんの?
マイキー
マイキー
お、あなたのニックネーム。なんかこのおっさんが八つ当たりしてくんだよ。
父親
散々人に迷惑かけて傷つけて!良い大人になってからヤンチャしてましたで済まされてたまるか!!このっクソガキ共がッッ!!
マイキー
マイキー
っ…誰に向かって口聞いてんのっ!?
(なまえ)
あなた
マイキー!…やめて
私はそう言ってマイキーの隣に並ぶと、マイキーの頭に手をやって、一緒に頭を下げた。
マイキー
マイキー
ちょ!?何すんだ!
ドラケン
ドラケン
全部、オレらの責任です。
(なまえ)
あなた
…すみませんでした。
マイキー
マイキー
おいッ!!
父親
クズが3人頭を下げて、
娘が元に戻るのか!?
マイキー
マイキー
あ"!?
(なまえ)
あなた
黙ってマイキー…!
何とかマイキーを落ち着かせようと必死になる。
父親
っ…娘は…ずっと昏睡状態だ…っ。
顔も…っ…体も……傷だらけでっ…!
父親の涙が床へ落ちるのが見えた。



ギュッと下唇を噛む。
父親
何でだ…?この子がお前らに何をしたんだ…?
母親
っ…うぅっ…!
父親
あんなに優しい子が…っ…あんなに可愛かった娘がっ…こんなっ、変わり果てた姿で…!
父親
…帰ってくれ。二度と私達の前に現れないでくれ。
夫婦はそう言って泣きながら歩いて行った。



その間も、私達は頭を下げたままだった。
ドラケン
ドラケン
…これから愛美愛主メビウスと揉める。オレらの世界の事は、オレらの中だけで片付ける。
(なまえ)
あなた
東卍の仲間にも、みんな家族もいるし、大事な人だっている。…関係ない人巻き込んじゃダメ、周りの人達泣かせちゃダメなの
ドラケン
ドラケン
下げる頭持ってなくても良い。
人を想う"心"は持て。
マイキーはしばらく黙った後に言った。
マイキー
マイキー
……2人は優しいな。…ゴメン、
ケンチン、あなたのニックネーム。オレ…2人が隣にいてくれて良かった。
今度の愛美愛主メビウスとの抗争、絶ッ対周りのヤツ巻き込まない、泣かせない。



そんで勝つ。



そう誓った。

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