兄に引きずられ、怪我してしまった足を家入さんが反転術式で治療してくれた。
その後、私が過ごす寮の部屋へと案内してくれた。
家入さんがドアを閉めた後、部屋を見渡す。するといつ持って来たのか、部屋の隅に降魔が置いてあった。
最近は鞘から抜こうとしなかったけど…
降魔の元へ歩き、手に取って鞘から抜こうとする。
すると今まで抜けなかった刃は何の抵抗もなく抜けた。
それはまるで、私は呪術師だと言われているようだった。
口を噛み締める。降魔を鞘へ戻すと、そのまま壁に投げつけた。
涙がとめどなく溢れてくる。
その場に座り込み、声を上げて泣いた。
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あなたの部屋から少し離れた廊下。
そこにはあなたの様子を伺いに来た伏黒達がいた。
あなたの泣き声が皆の耳に響き、顔を顰める。
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これ交流会前なので、悠仁がいません!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。