第38話

37話:三ツ谷side
33,650
2021/08/01 17:42
一度目を閉じ、深呼吸してからドアを開けた。



そして目を開き、絶句する。



















そこには何でつけられたのか分からない傷が、背中一面についていた。




三ツ谷隆
三ツ谷隆
……
(なまえ)
あなた
……
ハッとしてドアを閉め、五条の背中の前で座る。



これは傷じゃなくて傷跡だ。



てっきり昨日のクラスメイトにつけられたものだと思っていたが、どうやらそれ以上前のものらしい。



この傷跡は…恐らくもう治らない。



グッと唇を噛みしめた。キズぐすりを手にとり、五条の背中の傷跡に塗る。



塗っても無意味なのはわかっていたが、何もしないというのはどうしてもできなかった。



自分より小さい背中は、より小さく見えた。




(なまえ)
あなた
……汚いでしょ
三ツ谷隆
三ツ谷隆
…え?



不意に五条がそう言った。

プリ小説オーディオドラマ