あーあ、こんな大人数で来ちゃって。
あなたの兄貴は余裕そうな笑みを浮かべてそう言う。
オレがここに来た理由、分かるよな?
分かるけどさ、君は僕に勝てると思って来たの?
前はマトモに攻撃入れることが出来なかったけど。
人数で攻めたってムダなの、分かる?
…オレとお前の力の差は知ってる。お前とのタイマンは避けてぇ。
…けど…諦めきれねぇ…!!
あなたの兄貴を真正面から睨みつけて叫んだ。
オレは!オレの大事なモンを
取り返しに来た!!
オレの言葉にあなたの兄貴は一度笑みを引っ込めた。
が、すぐ声を出して笑い始めると、
じゃあ一つゲームをしよう。
と提案してきた。
は?ゲーム?
そう。
僕が君たち全員を一人一人相手しよう。
その間、一人がこの敷地内からあなたを捜し出すんだ。
は…ここから…?
周りを見渡す。
あらかじめ色々調べてきて、土地が広いのは知っていたが想像以上だ。建物の数だって多い。
時間制限付きでここからあなたを見つけ出すのは、雲を掴むような話だ。
でも……
…わかった。
それでも見つけ出す。絶ッ対。
あ、言っとくけどここ全員片付け終わって
あなたを見つけ出せてなかったら勿論
ゲームオーバー。
あなたには会わせないし、帰ってもらう。二度とここへ来てはいけないよ。
!!…っ……わかった。
じゃ、誰があなたを捜すか決めなよ。
そう言われ、ケンチン達と集まって話し合う。
どうするよ。
マイキー、行くか?
…オレが残らないと、時間が稼げない。
確かにこの広さじゃ簡単には見つからないからな。
あの男、マイキーにタイマンで勝ってんだろ?
マイキー君がいないとすぐやられちゃうっスね…
みんな頭をひねる。
もちろん自分が行きたい。早くあなたに会いたい。だがこの広さ、すぐ見つかるとは思えない。
…やっぱオレは時間稼ぎ……
時間稼ぎをする、そう言おうとした瞬間、
マイキー君、行きたくないんですか?
……そりゃあ行きたいけど…
それならマイキー君が行ったら良いと思います!!
タケミっちがそう言った。
…いや、でも
オレ達全員、あなたさんを連れ戻す為になんだってする覚悟で来たんです。
そう簡単には負けません!
!
…確かにそうだな。
せっかくここまで来たんだ。何がなんでも絶ッ対ェ連れて帰る。
…オレだって、あんなクソ野郎には負けたくないです!
タケミっちの言葉に、みんなの自信が戻ってきた。
オマエら…
マイキー、行け。
絶ッ対ェ見つけ出せよ!
オレらも頑張るっス!!
マイキー君。きっとあなたさんはマイキー君が迎えに来るのをずっと待ってます。
絶対…見つけて下さい!
タケミっち……ありがとう。
オレ行ってくる。
オレはみんなに背を向けて走り出した。
絶ッ対ェ…見つける…!!
あなたっ!!どこだッ!!
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!