目を覚ますと見慣れない天井がまず視界に入ってきた。
少し痛む体を起こすと、周りはカーテンで仕切られており、腕には点滴が打たれていた。
ここは…病院?…いや、違うか?
服がどう考えても入院服じゃない。
なんか…昔の貴族の女性が着てるような寝巻き。上下が繋がった白いロングワンピース…みたいな。
なんでこんな物を…本当にここは病院じゃない?
気を失う前の記憶がハッキリしない。とりあえずここがどこか知りたいから歩き回ろうか。
ベットの下を見ても靴が無い。
仕方ないので裸足でベットから降りる。そして点滴スタンドを持ってカーテンを開けた。
周りにもベットがいくつかあったが、誰も使ってないようだった。誰も居ない。
扉まで歩いて開けると目の前には窓があり、窓の外には膨大な自然と、和風の建物が永遠と広がっていた。
膨大な自然と和風の建物…?
慌てて窓まで走って外を見る。
どこ!?ここはどこっ!!?こんな場所知らないッ!!
自分の腕から点滴を引っこ抜き、点滴スタンドをその場に置き去りにして外に出ようと走った。
そして少し走ると、ある部屋から話し声が聞こえた。
誰かいる!と思い、その部屋の扉を思いっきり開ける。
そこには純粋に驚いた顔をする女の子と、何故かおにぎりの具を喋って驚く男の子、そしてパンダ……
パンダ!!パンダがいるッ!!!
驚きながらも目はある物を捉えて、そしてここがどこなのかがわかった。
女の子と男の子が着ていたのは呪術高専の制服だ。
ここは呪術高専だ…!
なんか気を失う前、兄の姿を見た気がしなくも無い。
ドラケンはどうなった!?マイキーはどこ!?
もう一回だけみんなと笑いたい、そう願ったのだ。
ドラケンの家はわからない。なら…
私はそのままマイキーの家まで瞬間移動した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。