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第1話

44話
32,937
2021/08/01 17:46
(なまえ)
あなた
え?
三ツ谷隆
三ツ谷隆
兄貴。お前が泣いてた時、どこで何してたんだよ。
え、なんかスゴい怒ってる。え?何で?
(なまえ)
あなた
お兄様は……暇じゃないの。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
はっ?
もの凄く怒気を含んでいる声に肩が跳ねる。



言い方が悪かったかな…なんか怒られてる気分…
(なまえ)
あなた
いやえっと……お兄様は寮制の高校に通ってたから普段家に居なくって…
三ツ谷隆
三ツ谷隆
寮?兄貴何歳だよ
(なまえ)
あなた
えっと…確か13歳差だった気が…
三ツ谷隆
三ツ谷隆
13?なのにそいつ何もしようとしなかったのか?
(なまえ)
あなた
…悪い影響を与えちゃいけないからって会わせてもらえなかった。それに……お兄様も私に興味なかったから…
三ツ谷隆
三ツ谷隆
は?何だよそれ。
タカちゃんは心底イライラするといった表情で言った。











三ツ谷隆
三ツ谷隆
そんな奴、兄貴じゃねぇ。
(なまえ)
あなた
え…
ビックリして目を見開く。



タカちゃんはまだ怒りが治まっていないようで、イライラした表情を浮かべたまま、文句を言いまくった。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
それはただのクソ野郎だ。おい五条、クソ野郎のことお兄様なんてやめろ。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
どうせそいつ、色んな奴にチヤホヤされて調子乗ってんだろ。はーっ、ムカつく。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
兄貴だけじゃない。そんな家族のこと、様を付けて呼ぶ必要どこにもねぇ。いいか五条、クソって呼んでやれ。わかったか?
(なまえ)
あなた
……
早口でそう言ってきた。空いた口が塞がらない。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
…五条?
あまりにもポカンとしすぎたせいか、タカちゃんが「ゴメン、言い過ぎた。」と何か勘違いした様子で謝ってきた。
(なまえ)
あなた
……ふふっ
いきなり私が笑いだしたせいで、今度はタカちゃんがポカンとする。
(なまえ)
あなた
っ…アハハッ、お兄様達がクソ野郎って言われてるの、初めて聞いた!ふふっ…っ…
ひとしきり笑った後、私はタカちゃんにこう言った。
(なまえ)
あなた
…ありがとう、タカちゃん。
タカちゃんはしばらく面食らった顔で固まっていたが、満面の笑みを浮かべて、
三ツ谷隆
三ツ谷隆
おう!!
と言ってくれた。

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