車で走ること一時間。
右のドアを開けられるがマイキーが起きないので、起こすのにメチャクチャ苦労した。
こんなことなら、ドラケンと一緒にしとくんだった…
既に疲れたが家の門を見て、車の時以上に固まるみんなを動かすのにも苦労した。
とりあえず門をくぐると、使用人達が一斉に、
と頭を下げた。
友人もいるから形はちゃんとやっとこう、て感じかな。
みんなを見ると、みんなは殺気バンバンに出して使用人達を睨んでいた。
スゴい心強い。
一瞬フッと笑った。
そして閉まっているある障子の前まで移動させられた。
ここは五条家にいる人間が会議などを行う場所。
初めて入るな。
使用人の言葉を遮り、思いっきり障子を開けた。
使用人は空いた口が塞がらない。
中にいる奴らも目を見開いていた。
その中でただ1人だけ、私に興味深そうな視線を向ける奴がいた。
まあ実際、目は布で見えないが。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!