兄は皆より一段上がった場所、明らかに"トップ"だという場所に座って、私を見下ろしていた。
そう言えば空気が凍る。
タカちゃんを見るとビックリしていて、私はニコッと笑いかけた。
声のした方を見ると父が顔を真っ赤にして怒ってきた。
そんな父に微笑んで言う。
父は真っ赤を通り越して完熟トマトになった。
あんなの食いたくないけど。
すると私の言いように兄が笑いだした。
私達の目の前には座布団が横に並んで6枚。
みんなに言えばもちろん胡座をかいて座った。
兄は六眼持ちだ。言葉で誤魔化したってどうにもならない。
この際、直に聞くのがいい。
すると兄は目元の目隠しを外して私をジッと見つめた。
は?
名前呼びに一瞬眉が動くが、今突っかかっても仕方ない。
何なんだ。術式の話じゃないのか?
兄は何やら考え込む。
そんな兄に、マイキーは痺れを切らしたというように口を開いた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。