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2021/05/28

第9話

9話
 結局あれから眠ってしまい、あなたの目が覚めたのは翌朝だった。携帯を見れば十代からの着信が2、3件来ている。あなたは携帯を閉じ、ヨハンが隣に眠るベッドから抜け出した。肌寒さが纏わりついてきてすこし鬱陶しく感じる。
ヨハン
ヨハン
ふぁ……おはよ
(なまえ)
あなた
おはよう
 あなたが起きた弾みで起きてしまったのだろう、ヨハンに声を掛けられる。何となく気恥ずかしくてヨハンの顔を見られない。
(なまえ)
あなた
じゃ、わたし、帰るから
 ヨハンがベッドから手を伸ばしそそくさと帰ろうとするあなたの手を掴む。
ヨハン
ヨハン
まだ朝早いからさ、もうひと眠りしていかない?
 それは魅力的なお誘いだった。

 あなたはヨハンに揺さぶられてまどろみの中から抜け出した。もぞもぞと携帯を起動して時間を見ると、いつも朝起きるくらいの時間になっており、片付けられたテーブルの上にはトーストが乗っている。
(なまえ)
あなた
いただきます
ヨハン
ヨハン
食べたら出よっか
 いつから起きていたのだろう、ヨハンが着替えながら行ってくる。逞しい体つきに、思わずあなたは目を逸らす。
ヨハン
ヨハン
あれ、意識しちゃった?
(なまえ)
あなた
そ、そんなんじゃないし……!
ヨハン
ヨハン
ふーん
 ヨハンはニヤニヤしながら訳知り顔で頷いていた。

 あなたたちが家を出て数分すると、いつも十代と会う曲がり角が見えてくる。
十代
十代
あなたー!
 手を振ってきたので軽く手を振り返すと、十代はぶんぶんと音が聞こえてきそうなほど手を振る速さを上げる。まるで飼い主に向かって尻尾を振る犬のようだと、あなたはおかしくなる。
十代
十代
ガッチャ! おはようあなた、ヨハン
ヨハン
ヨハン
おはよう
(なまえ)
あなた
……おはよ
 後ろめたくて直視できないでいると、その様子を不審に思ったか十代が、あなたのことを観察する。
十代
十代
あれ、なんで昨日と同じ服着てるんだ?
ヨハン
ヨハン
ふっふっふ……よくぞ聞いてくれました! じ、つ、は、そういうことなんだよねー!
十代
十代
そ、そういうことってつまり……!
 なにかはわからないが、十代はかなりショックを受けているようだ。
ヨハン
ヨハン
僕たち、恋人になっちゃいました♡
十代
十代
えーっ
(なまえ)
あなた
えーっ
 驚いたのは十代だけではなくあなたもだ。
(なまえ)
あなた
き、聞いてないよぉ……
ヨハン
ヨハン
言ってなかったっけ。でもあんなこともしちゃったし、俺あなたのこと好きだし、あなたも俺のこと好きだろ?
(なまえ)
あなた
んー……まあ、あざとくてぐいぐい来るところ好きだよ
ヨハン
ヨハン
だろ? 絶対後悔させないから
(なまえ)
あなた
……うん
 気づけば頷いていた。
 頷いたと言うより頷かされたと言ったほうが近いかもしれない。が、一度口から出た言葉は引っ込まない。
 十代は目の前で起こったやりとりに動揺しているようだった。
十代
十代
ごめん、俺、今日は別で
(なまえ)
あなた
そっか。わかった
十代
十代
あと、明日から弁当はヨハンに頼んでくれ
ヨハン
ヨハン
任せとけって
 ヨハンは胸を叩いて鷹揚に頷いて見せた。

 教室にあなたとヨハンが恋人繋ぎで現れると、そのことに気づいた数名の生徒がざわついた。万丈目も気づいた生徒のうちの一人のようで、つかつか歩み寄ってヨハンにガンを飛ばしている。
ヨハン
ヨハン
おいおい、朝からなんだよ
万丈目
万丈目
やけに仲がいいなと思ってな。今日は十代も教室まで付いてきてないようだが?
ヨハン
ヨハン
十代は後から来るってさ
万丈目
万丈目
まさか……お前たち、付き合ったのか?
ヨハン
ヨハン
そのま、さ、か、なんだなぁ
 ヨハンは誇らしげに胸を張って答える。
万丈目
万丈目
馬鹿な……あんなに十代を慕っていたのに?
(なまえ)
あなた
十代くんのことなんだけど、どうしようと思ってて……
万丈目
万丈目
どうしようもこうしようもないだろう。もうヨハンに決めたんだろう?
(なまえ)
あなた
そうなんだけど……
万丈目
万丈目
じゃあそういうことだ。両方は無理なんだよ、あなた
 そう言うと万丈目は自分の席に戻っていった。
 あなたが悶々と授業を終えると、昼休みの時間がやってくる。十代は来るのだろうかと不安だったが、見慣れた茶髪が見えて安心する。
(なまえ)
あなた
十代くん……!
 あなたは十代に向かって手を振ったが、十代は何の反応も示さなかった。代わりにいつもの席につくなり、あなたに質問を投げかける。
十代
十代
あなたは本当にヨハンと付き合うのか?
(なまえ)
あなた
ヨハン
ヨハン
そうだぜ
十代
十代
いや、あなたに聞いてるんだ
(なまえ)
あなた
んー、とりあえず付き合ってみようかな
十代
十代
じゃあ、この弁当最後だし、登下校も邪魔しないから。あとはヨハンに任せるぜ……
 十代は力なく答える。
 十数年続けてきた弁当と登下校を辞めてしまうと言われて、あなたは一人ぼっちになったような気持ちになってしまった。
万丈目
万丈目
おい十代、本当にそれでいいんだな?
十代
十代
いい
 十代は俯かせていた顔を上げると、おざなりに頷き返してまた俯いてしまう。
(なまえ)
あなた
やっぱ選択肢間違えたかな
万丈目
万丈目
優柔不断だからそういうことになるんだ。まあそれでも一度優劣をハッキリさせるのは悪くないだろうが……
(なまえ)
あなた
わ、わかった。付き合ってみるよ
 あなたは戸惑いつつ頷いた。ヨハンとあなたの恋人関係はこうして始まった。