第88話

そんなバカにしないでください。

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2022/04/05 03:59


朝、起きても










俺は寝たフリをしていた。









目黒は起きているみたいだ。










一刺ししてくるのが妥当だろうか。










目黒「亮くんのためにも……あいつを」











どれだけだよ。









目黒「寝てるふりならやめてください､犯人さん」










俺は目を開け､起き上がった。









『あれあれ？気づいてた』









目黒「バカにしすぎです」









『ほんとに君の才能､すごいと思うよ｡そんな才能を俺が奪えるなんて……最高じゃないか』










目黒「やっぱ余裕を感じます｡あなたから」









『余裕って思ってるからね』









目黒「やっぱ､嫌いです。あなたの事」









『やっぱって事は元々はそうでもなかった』










目黒「そんなこと言ってません」









目黒の目はガチだった。









あんな弟にも









ここまでちゃんとした友達が出てたんだな……










いや､人を殺そうとしてる時点でちゃんとはしてないか。









俺にも､友達ってのが









前は居たな……警察官一家の永瀬。









仲良しごっこみたいなのは










大嫌いなんだけど









あいつだけはずっと









俺のそばにいてくれたな。










永瀬以上のやつには出会えないと思う。








目黒「阿部さん」








『何？』









目黒「なんで､泣いてんの」









『えっ』









俺は目から静かに涙をこぼしていた。









永瀬の事、思い出したら










なんで涙が溢れてくるんだろう。









自分の中でも……少し後悔したとこがあるんだろうか。









なんなのだろう。









この気持ちは。