放課後になった。
今日は部活を休んで行く場所がある。
そう。父の会社だ。
今日教室で月島くんと山口くんに「入部届け出てないんでしょ?」といまれたのを、密かに気にしていた。
私の父は、お母さんと離婚してから変わってしまった。
女の人をとっかえひっかえし、私を家の中で邪魔者扱いする。
しかも、女の人を連れていない時はずっと会社にいるので会う時がないのだ。
基本学校で保護者の何かが必要な時は、毎回会社に行っている。
私が会社まで行きフロントの人に声をかける。
フロントの人には、顔も覚えられたくらいだw
顔パス会社に入ると、エレベーターを使って父がいる階まで登っていった。
終始会う人には笑顔で挨拶をし、自分の惨めな気持ちを悟られないようにしていた。
……いつからこんな事になったのかな?w
もう無理にでも笑ってないといけないような精神状態になったのは。
やっと父の元へ着いた。
会社の中では偉い存在らしく1部屋貰っている父の姿は、あまり好きではない。
私が呼びかけると、こっちを向いた。
広い室内で1人だけ。
可哀想。
……なんて思うか!ばーか👅
私はお父さんに入部届けをだした。
保護者サインの所以外は既に書いてあるので、私が男バレのマネをすることは見れば分かるはずだ。
私から紙を受け取ると、すぐにサインを書いた。
……まるで、私がどの部活に入ろうと興味ないように。
私はそれどけ言うと、この部屋から出ようとした。
でも、お父さんに止められた。
なに?
今更?
は?
家?新しい?
そう言われて、新しい家の鍵と場所の書いた紙を貰った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。