第14話

世田谷ラブストーリー-第5章-
376
2021/02/10 11:00
♡あなたside♡
ベッドに潜りぼーっと天井を見上げていた私。

(失恋…ってこんなに辛かったっけ?…学生の頃はすぐ吹っ切れたのに…)

そんなことを振り返りながら…

(もう一層告白して振られればスッキリするかな…?)

なんて考えてみる。

すると突然サイドテーブルに置いた携帯が震えたので、咄嗟に通話ボタンを押す。 …誰か確認せずに
(なまえ)
あなた
…もしもし?
長谷川慎
長谷川慎
…っあ!急にごめんね、長谷川です。
(えっ!?)
さっきまで想っていた人からの電話に一気に胸が高鳴る。…でも冷静に
(なまえ)
あなた
…っ!お疲れ様です。
今日はすみませんでした。
長谷川慎
長谷川慎
気にしないで!
…ところで体調はどう?
(なまえ)
あなた
もう大丈夫です。
ありがとうございます//
体調を気遣って電話をかけてくれるとか…どこまでも優しい彼に頬が熱くなるのを感じる。
長谷川慎
長谷川慎
良かった!昨日帰る時ちょっと変だったから気になって…
(なまえ)
あなた
昨日のせいじゃないですよ//
長谷川慎
長谷川慎
でも気づいてあげられてたら…
まるで自分のせいのように責任を感じてくれる彼。…忘れられるはずない。
そんな彼の声に口が勝手に動いていた…
(なまえ)
あなた
…あの、またあの居酒屋に誘ってもいいですか?//
長谷川慎
長谷川慎
えっ…!?…うん、もちろん!
あなたさんが元気になったら…
息を呑む声が受話器越しに聞こえ、でもすぐに嬉しい言葉が返ってくる。
(なまえ)
あなた
じゃあ…明日19時に昨日と同じ場所に来て貰えますか?//
長谷川慎
長谷川慎
…わかった。
(なまえ)
あなた
では、また…
長谷川慎
長谷川慎
うん、おやすみなさい。
…それとお大事に
(なまえ)
あなた
はい、失礼します!
通話ボタンを切り、ベッドから飛び上がる。もう逃げないで、正面から向き合おう。…彼と
☆*°.*・゚ .゚・*.☆*°.*・゚ .゚・*.☆*°.*・゚ .゚・*.☆*°.*・゚
☆慎side☆
まさか彼女から誘われるなんて思ってもみなかった。
しかも明日は土曜日で…
長谷川慎
長谷川慎
間違いじゃないよな…?
1人携帯の暗い画面を見つめながら呟く。その声は昨日少し整頓した部屋の中に響いた。


次の日。
俺は19時よりかなり前に家を出て、あの居酒屋へ向かう。前のように彼女を待たせないために…
長谷川慎
長谷川慎
良かった!
待ち合わせ場所にまだ姿はなく安心する。
…この寒空の下、病みあがりの彼女を待たせるわけにはいかないから。
そう携帯を弄っていると…
(なまえ)
あなた
長谷川さん?…待ちましたか?
遠慮がちに降る声。顔を上げると、申し訳なさそうな素振りを見せる彼女。その仕草が可愛くて、
長谷川慎
長谷川慎
ううん、俺も今来たところ//
…入ろうか?
頷く彼女と共に店内に入った。
"今日こそは、終電に間に合うように送るようなヘマはしない"そう胸に誓いながら…

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