第2話

sympathy-プロローグⅡ-
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2021/01/30 11:00
♡あなたside♡

付き合って半年、同棲してもうすぐ半年。
壱馬くんは、THE RAMPAGEというグループのボーカル…いわゆる芸能人。
最近はますます人気が高まっており、忙しそうだ。
付き合っている時も、彼は忙しい上に身ばれ防止のため、あんまり外で会えない。…それでも、私は幸せだった。彼のことが大好きだったから…

だから…
川村壱馬
川村壱馬
一緒に住まへん…?
そしたら、もっと一緒におれるやろ//
壱馬くんにそう言われた時は、涙が出るほど嬉しかった。私たちのこと考えてくれてるんだって。
…でも、あの時もっとちゃんと考えて決めていれば、こんなことにはならなかったのかな…?
☆*°.*・゚ .゚・*.☆*°.*・゚ .゚・*.☆*°.*・゚ .゚・*.☆*°.*・゚
明日は付き合って1年の記念日。

だから一緒にお祝いしたくて声をかけた。
彼がイライラしていたのに気づいていたのに…笑顔になって欲しくて…
(なまえ)
あなた
あの…
壱馬くん、明日早く帰ってこれる?
でも…それが彼を怒らせてしまったのだろう。
川村壱馬
川村壱馬
今話しかけないで!
(なまえ)
あなた
…っ!ごめん
『"大事な事"は忘れるくせに、くだらない事は覚えてるのね』
そんな歌詞が綴られた歌もあったっけ…?壱馬くんもそうなのかな…?

…いや彼にとっては記念日なんて、くだらない事で他の"大事な事"はちゃんと覚えているのかも知れない…
未練がましく覚えているのは、私だけ…
それなら、壱馬くんとはお別れしよう…。彼のことが好きだから、彼の"大事な事"を私も大切にしたい…。
その日も同じベッドに、お互いに背を向けて眠った。
☆*°.*・゚ .゚・*.☆*°.*・゚ .゚・*.☆*°.*・゚ .゚・*.☆*°.*・゚
次の日、朝早くに起きた私はまだ隣で眠る彼を起こさないように寝室を出て、朝食を作る。
食べるか分からない彼の分も作り、ラップをかけ自分の分を食べる。
(なまえ)
あなた
ふぅ…
(最後くらい一緒にご飯食べたかったな…//)
そんな思いはため息となってそとに出る。

でも、会ったらまた気持ちが揺らいでしまうかもしれない…ならこれで良かったんだ。
壱馬くんとの思い出に浸りながら朝食を終え、身支度を整える。そして寝室に戻り、時間までスヤスヤ眠る彼を眺める。
(なまえ)
あなた
壱馬くん、ごめんね…

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