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第40話

花火大会、それぞれの想い〖vol.1〗
梨夏
梨夏
あっ、弥生ちゃーん!
碧
走れ〜!!
もう皆集まってるよ!


まだまだ明るい5時の空、
大漁旗の下で碧たちが手を振ってる。


皆に合流して、私は弾む呼吸を整えた。



弥生
弥生
っ、ハァ、浴衣で走らせるって、
あんたら鬼かよ!!



そう、今日は8月15日。


花火大会の日。



晴樹
晴樹
これでも飲んで落ち着けよ


と、部活Tシャツにジーンズという
ラフな格好の晴樹が レモネードを差し出す。



弥生
弥生
ありがと
晴樹
晴樹
にしても、珍しいな
晴樹
晴樹
弥生が来るのが遅いなんて
本山先輩
本山先輩
土日練も大体 1番か2番だしな
弥生
弥生
ちょっと着付けに
手間取っちゃって…… って
弥生
弥生
本山先輩 既にお祭りモード全開


焼きとうもろこしにたこ焼き、お好み焼き、
綿あめまで手に持って……。


うん、まだ会場に遠いここにも
屋台出てるもんね……。

小雪
小雪
先輩、口が1つしか
無いこと多分忘れてる。
星奈
星奈
ゆき 辛辣 ‪w
本山先輩
本山先輩
こういう祭りの食い物は
全ておいしく頂かないと失礼だろうが
光流先輩
光流先輩
まぁ遅かった弥生が悪いということで


そういう 光流 先輩 の綿あめは
既に棒だけになっていた。


平田先輩
平田先輩
全員揃ったし、そろそろ



港の方へ向かおうと呼びかける
ひら……、 ……智希 先輩。


薄手の白Tシャツに半袖の黒パーカー、
ジーンズ、ミリタリー柄のバック。



……はぁい 私服姿 眼福ぅぅぅぅう!!!←

公式からの供給ありがとうございまぁぁす!!←



碧
……今日は、晴樹に感謝だね


そういう碧も 光流 先輩の私服にもう潤目だ。



弥生
弥生
ほんとにね


小声で同意して、でも内心 首を傾げる。



何で 晴樹、あのタイミングでこんな事
言い出したんだろ?


星奈
星奈
ほら〜〜! 弥生、碧!!
置いてくよ!!
弥生
弥生
ちょ、おま 速いから!!


まぁ、晴樹 いつもK空気読まないだしな。


あまり気にせずに、私は皆の元へ駆け出した。




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【晴樹side】


本山先輩
本山先輩
まぁ 祭りといやまずはりんご飴だろ
晴樹
晴樹
『まずは』どころじゃなく
食ってる人が何言ってんすか



先輩に呆れ気味に突っ込みを入れながら、
こっそりと右斜め前を歩く弥生を盗み見る。



淡い青の生地に 濃淡のついた藍の花。

爽やかでシンプルなモチーフの浴衣は、

スラッと姿勢の良く 背の高い弥生に
よく似合っている。




……なんか、祭りマジックというか……

いつもより、綺麗だよなぁ……



本山先輩
本山先輩
おい、晴樹。
さっさと選べよ


気がついたら皆 りんご飴を手に持っていた。

行動が速ぇ。



弥生
弥生
晴樹遅いよ、花火始まっちゃうよ
晴樹
晴樹
いやまだ全然始まんねぇし
なんならあと1時間あるし
本山先輩
本山先輩
何言ってんだ晴樹。
今日は屋台の食い物全部
食い尽くすんだから1時間じゃ
足りねぇかもしれないだろ
チンたらしてたら
晴樹
晴樹
チンたらしてなかったら
間に合う計算なんですねそれ



全く、人の気も知らずにはしゃいで……


まぁ俺も 普段と違う弥生に
多少テンション上がってたけど。








弥生の視線は前を光流先輩と歩く
智希先輩に注がれている。


大方「尊い」とでも思っているのだろう。






……その薄く引いた口紅も。

いつもより艶々している髪も。


今日は全て、彼の為のものなのだろう。




……わかってる。
晴樹
晴樹
(俺は、応援するって決めたのに)
弥生
弥生
晴樹!!金魚掬い勝負しようや!
晴樹
晴樹
あー…… いいよ
弥生
弥生
負けた方が、かき氷奢りな!!
晴樹
晴樹
(どうしても先輩に嫉妬してしまう)


それほどに想われていることが、羨ましくて。




俺は、弥生の味方でいたいのに。

どうしたって、心が2つある。




弥生
弥生
っし、私の勝ちな!!
晴樹
晴樹
え、いつの間に終わってたん……
弥生
弥生
晴樹ぼぅっとしすぎ!!
折角の祭りなんだし
考え事は後にしてよ
晴樹
晴樹
……そうだな、ごめん
弥生
弥生
てゆー訳で、晴樹の奢り!!
先行って味選びよくわ
晴樹
晴樹
おう



楽しげな笑顔は、いつだって俺の心をかき乱す。



本山先輩
本山先輩
お前さ、グダグダ悩んでていい訳?
晴樹
晴樹
本山先輩?
本山先輩
本山先輩
戦った方がいいんでないの、
人に取られる前にさ
晴樹
晴樹
……知ってたんすか、
俺が弥生好きって
本山先輩
本山先輩
見てりゃわかる
晴樹
晴樹
ていうか、先輩だって
好きな人のこと
諦めてるじゃないですか
晴樹
晴樹
気持ちを伝えること、
諦めてるじゃないですか
本山先輩
本山先輩
やっぱあん時聞いてたんだな
本山先輩
本山先輩
俺はいいんだよ、納得してっから
本山先輩
本山先輩
お前は、納得してねぇから。
後悔するぞ、絶対
晴樹
晴樹
……先輩、部内恋愛反対派ですよね?
本山先輩
本山先輩
望めば叶えられるかもしれねぇもんを
諦めてこっち側みたいな顔してるんが
……気に食わねぇんだよ



そういって、ゆったりと
先輩はかき氷屋の方へ歩いていった。



……背中押されたって、困る。





晴樹
晴樹
……むしろ、部内恋愛反対掲げて
邪魔してくれたらな、全部


俺の想いも、弥生の想いも。



あーあ。未練タラタラ。みっともないな。