無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第28話

初夏の青空 隠し事 【星奈】
6月30日。


期末テストも無事に、
いや多分点数は全ッ然無事じゃないんだろうけど
とりあえず終わって、
まだ1教科も答案が返ってきていない平和な土曜。

出来れば家でゴロゴロしていたかった土曜。


……A.M.8:00。

私たちは、学校からチャリで25分の、
屋外フリスビー場に来ています……。

17:00までの1日練です……。

片付けあるから実質17:45までです……。


星奈
星奈
ただまぁ、先生がいないのが
唯一の救いやね
碧
テストの採点だってね〜
弥生
弥生
じゃあ練習やるなよッ……!!
星奈
星奈
それは言えてるw


ゲームでもしたかったのか、
はたまた寝ていたかったのか、
単純にめんどくさいのか、
心底悔しそうな弥生に私は笑いかける。


星奈
星奈
でもまぁ先輩に会える訳だから、
弥生も碧もいいじゃん!!
星奈
星奈
あーあ、1番割食うのは私だよ!
弥生
弥生
それは、ま、そうだけど……
碧
そういえば、星奈のそういう
恋愛系の話聞かんよね〜
碧
何かないん??




笑顔のまま、少し固まる。

















首に蘇る、絞められていく感触。












???
ねぇ星奈、好きだよ。大好き。



甘い声で甘い言葉を吐きながら、
私を苦しめていくあの手の感触。
















止まりかける呼吸。













星奈
星奈
……あ〜
喉に詰まった空気の塊を、吐き出すように笑う。

星奈
星奈
今はそういうのはいいかな!
碧
? そうなんやね

私の異変に気づいたのか、
首を傾げつつも頷く碧。


弥生
弥生
……っ、的、立てに行こうや!
碧
わっ、弥生急に大きい声出さんでw
弥生
弥生
そ? ごめんごめん!!


私と同中で、私の事情を知っている弥生が笑う。
場の空気を変えるように。



星奈
星奈
……そうやな、早く行って、
こっちの仕事も覚えんとな!!


そう言って、皆で射場から駆け出す。

星奈
星奈
ありがとね、弥生。
弥生
弥生
ん? 何が?



すっとぼける弥生。


それに苦笑して、また前を向く。

















屋外フリスビー場では、
床の円も、風船も使わない。


芝生の地面では、そもそも円を描けないし、
風船の断片を集めるのも一苦労だから、
ダンボールの的を使う。



細い木の棒を地面に突き立て、
それに円に切り取られたダンボールを
先輩に教えられながら突き刺していく。

茜梨先輩
茜梨先輩
このダンボールに
フリスビーが当たって、
木が倒れるくらいが
風船が割れるくらいの威力なんだよ
星奈
星奈
へぇ〜、じゃあ、
風船割るのって
かなり威力がいるんですね




そう言って笑う。
















あ、良かった。

普通に笑える。
















にしても、
ああいう言葉だけで思い出す・・・・って……


やっぱまだ引きずってる・・・・・・んだな……

















思い出した過去と、
碧に隠し事をしたような形に
なってしまったことへの罪悪感で

重い胸の内とは裏腹に、

初夏の空は、突き抜けるように青かった。