第28話

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2020/04/10 15:16
your side



化学実験室へ行かなくなった分…


…というのはちょっと違うかもしれないけど、


保健室に頻繁に行くようになった。


何をするでもなく、


駿先生とたわいもない話をするだけ。


私から恭平先生の話題を出すことはしないし、


駿先生も察してくれているのか、


その話題には触れてこない。


授業が終わったら図書室で受験勉強をして、


飽きたら保健室で駿先生と話をして。


そんな、恭平先生が来る前のような日々を過ごした。



















そんなある日、


いつものように保健室で駿先生と話していると、


突然、


道枝「結局、あなたちゃんは風磨のことどう思ってるの?」


って。


今まで禁句だったその人の名前を突然出され、


動揺してしまう。


「別に…どうも思いませんよ。」


道枝「ほんと?」


「ロリコンなんじゃないですか?(笑)

生徒にあんなことするとか(笑)」


動揺を隠すためにわざとふざけて答えてみる。


道枝「あんなことって?」


でも駿先生はいたって冷静だ。


「駿先生だって見てたじゃないですか。」


道枝「まぁねぇ。

でも、ロリコンって(笑)

恭平だってまだ20代前半だし、

ロリコンってほどあなたちゃんと年は離れてないでしょ(笑)」


「でも私の印象は、年下好きの変態教師です。」


道枝「あなたちゃん、可愛い顔して結構言うねぇ(笑)

でも恭平、年下好きなイメージないけどなぁ。

むしろ恭平の元カノ、ほとんど年上な気がするんだけど。

年上のお姉さんタイプが好きなのかなぁ。

恭平の元カノね、みんな可愛くて綺麗なんだよ~。

特にねぇ…」


恭平先生の元カノのことをつらつらと話し始める駿先生。


どれもこれも、私とは真逆な人達ばかり。


聞きたくもない話が、次々と私の耳へ入ってくる。


駿「 恭平の元カノ、みんなスペック高いっていうかさぁ、

なんかナースとも付き合ったことあってぇ…

CAさんともあるって言ってたな。

てかモデルとも付き合ったことあるらしいよ。

あ、あとね…」









「もう、いいです。聞きたく…ない。」









耐えきれなくなった私は、


思わず駿先生の話を遮った。








ねくすと

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