第38話

34話
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2021/11/07 13:00



懐かしいな……あれが3年前か……
(なまえ)
あなた
……あったね、そんな事
黒尾 鉄郎
あの時あなたの下の名前は尋常じゃないほど落ち着いてなかったな。あなたの名字さんが病院からかえって来た時もなんにも教えてはくれなかった。だが、あなたの下の名前の様子から、相当ななにかあったんだと思ったんだ
(なまえ)
あなた
……はぁ、僕の馬鹿
黒尾 鉄郎
まぁ、大切な人の死がいきなり近くに来たら誰だってそうなるさ
(なまえ)
あなた
迷惑……かけた?

クロと研磨にはバレたくはなかった


いつも通りに接して欲しかっただけだった


迷惑かけて、心配されて


こまらせたくなんて、なかった


黒尾 鉄郎
いや、むしろ逆だ。教えて欲しかった。もしかして……迷惑かけると思って言わなかったのか?
(なまえ)
あなた
僕はクロや研磨にジィちゃんの事で心配して欲しくなかった。バレーをただ一生懸命やってる2人を見てたかった

ジィちゃんの事で練習に身が入らなかったりしたら……


別にクロ達を信用していない訳じゃないけど……


・・・・
家族絡みのことをこれ以上2人に心配して欲しくなかったんだ



2人とも、凄い優しいから……


黒尾 鉄郎
……はぁ。あなたの下の名前なら、そう考えてると思ってたぜ


トコトコトコトコ……


黒尾 鉄郎
あのな、確かに俺たちが聞いたら心配する。けど、聞かない方が気になって仕方ないんだよ
(なまえ)
あなた
……そうだね。2人ともジィちゃんには凄い可愛がってもらってたもんね
黒尾 鉄郎
そういうことだ。知り合いだったら誰だって心配もするし、気になる。今更すぎるぜ
(なまえ)
あなた
……教えないことも、実は相手には失礼だって事あるんだね
黒尾 鉄郎
ま、結果的には本人から教えて貰ったから良いけどな。もう気にしてねぇよ
(なまえ)
あなた
……そっか


今でもこうやってお見舞いに来てくれて凄い嬉しい


ジィちゃんも多分思ってる


勿論、僕だって嬉しい


2人とも、ちゃんと心配してくれてる


黒尾 鉄郎
今度の手術はいつだ?
(なまえ)
あなた
来月。主要のがん取る
黒尾 鉄郎
全部取れんのか?
(なまえ)
あなた
いや、主要のだけ。寿命を伸ばすように、医師の人も頑張ってくれてる
黒尾 鉄郎
そうか……そろそろ覚悟しねぇといけないのか……
(なまえ)
あなた
……ま、まだいいんじゃない?元気だし
黒尾 鉄郎
でもいつ悪くなるかわかんねぇだろ?
(なまえ)
あなた
……クロは今、それ気にしてる場合じゃないでしょ
黒尾 鉄郎
……
(なまえ)
あなた
大会。負けたらそれこそジィちゃんに叱られるよ
黒尾 鉄郎
……それもそうだな
(なまえ)
あなた
勝って、ジィちゃんを喜ばせてあげて
黒尾 鉄郎
おうよ、任せとけ
(なまえ)
あなた
僕も、見に行けたら行くよ
黒尾 鉄郎
そこはマネージャーで!
(なまえ)
あなた
なんでよ、めんどくさい
黒尾 鉄郎
まーまー!固いこと言わずに
(なまえ)
あなた
はぁ……

ま、それはそれでアリかも

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