ピピピピピ…
いつもと同じ時間になったアラームの音。
制服に着替えてリビングがある一階へと向かう。
先に登校した姉が僕のために作ってくれた朝御飯が机の上に
置手紙とともに置いてあった。
いすに腰掛けて朝御飯を頬張りながら置手紙を何気なく読んでみる。
『 あなたへ。
毎日先に登校してごめんね、ほんとは一緒に登校したいんやけど、(笑)
どうしても係の仕事が外せないから先に行かないといけないの。
今日の朝ごはんはスクランブルエッグだよ、ちゃんと食べてね。
姉、さなより。 』
毎日小さいメモ用紙に短い文で書いてくれる。
今ではこのメモ用紙に書いてある文章を読むのが毎日の日課になっている。
僕も姉さんのように優しくて丁寧な人になりたかったなぁ、なんて考えることもある。
…そんなことを考えていたらもう8時になっていた。
まあホームルームが始まるのは45分からだから30分に着けば問題ないんだけど。
今日は姉さんに少し用事があったから少し早めに行きたい気分だった。
少し急ぎで準備などをする。
ドアを開けてから誰もいない部屋に向かって挨拶を済ませた。
”以前まで”母と同居していたため挨拶するのが習慣になっている。
…以前まで、というのは"義理"の母がこの家から出ていったからもうこの家にはいないということ。
まだ母がこの家にいたときは…僕は母から虐待、を受けていて。
それなのに母は突然この家から消えてしまった。多分もう帰ってこないけど。
正直言うともう思い出したくもない。
多分人生で一番最悪の思い出。
…まあこんな話は置いておいて、そろそろ校門が見えてきた。
もうすぐ5月にもなるのに、まだ桜の花が舞っていた。
僕は桜の花が意外と好きだからこうやって見ることができるのは嬉しい。
僕が桜をマイペースに見ていたところ、後ろから突然声をかけられた。
この人はもも先輩。姉さんの親友だからか僕も仲がいい。
先輩によると僕と姉さんはものすごく似てるらしい。”義理”なのに。
いつものように他愛のない会話をしながら僕たちは教室へと向かった。_
ほんとに一話一話書くのが遅くてすいません。
これからは”ちゃんと”更新頑張りますんでよろしくお願いしますっ
多分今日か明日一話更新すると思います。
よければ☆・♡・ふぉろーよろです。
ではまた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。