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私がいつも都会まで来た時に乗る田舎行きの馬車へ飛び乗って 、 周りを見渡す 。
良かった 、 誰も居ないみたい 。
『お嬢さん 、どちらまで ? 』
馬使いの声にもビクビクと震える自分が情けなく感じてしまう 。
「ブルセルクまで 、っ」
と同時に 、 私はここまで追い込まれていたのだととも感じる 。 思わず溜息が零れた 。
揺られること1時間 、 見慣れた景色 、 美しい雪が舞い降りて馬車から少し身を乗り出した私の髪に舞い降ちる 。
『お嬢ちゃん着いたよ』
「あ 、ありがとうございます 、」
そう言うと密かに持ちつづけていた残り僅かの代金を支払いすぐに馬車から降りる
何一つ変わらない 、 この村で変わったのは私だけ
そんな考えをしながら家路を歩いていると突然視界が誰かに塞がれ真っ暗になった 。
一瞬大佐様ではないかと身震いし 、 その後遅れてきた残り香に懐かしさをおぼえる 。
「ジミン 、?!」
まさかそんなことあるはず 、 だって彼は今遠く地で勉強に取り組んでいるのに 。
『びっくりした ? 俺だよ』
なんて手を離しながら私の体をそちらに向かせ顔が見えるように向かい合う 。
『馬鹿だなあ 、俺先月帰ってきたのに』
「っ、あ」
こんな筈じゃないのに 、
『○○ 、どうした ? なんで泣いてんの 、』
私は我を忘れ 、 まるで何かに囚われたようにしかし無くしてしまった何かを取り戻すように勢いよくジミンの胸へと飛び込んで泣き続けた 。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。