この國には 、桜の木の下で永遠の愛を誓った男女は必ず幸せになるという伝説がある 。
だからと言って木の下で永遠を誓っていない男女は幸せにはなれない 、なんて訳では無いのだけれど 。
「この頃國の情勢がよろしいようね」
この國の村外れに住む私のところにもこの國の闘いの様子が逐一届く 、最近大佐様に任命されたチョンジョングク様 。
あの方がかなり強いらしくて 、私達は幸せに暮らしている 。
都会まで出ればジョングク様が徘徊をしており 、村の者で都会に行った人々は皆と言っていい程ジョングク様に惚れて帰ってくる 。
皆に言わせると凄く顔立ちが良く格好が良いらしい 。
「お母さん 、今日の朝ご飯は?」
キッチンに居るお母さんに声を掛けると
笑顔で " いつもと同じよ 、変わりない " なんて言うからそれもそうだと微笑み頷く 。
お父さんは朝から猟に行っていてこれも同じ 。
本当にいつもと変わらない 、いつもの日常 、
でもいつもと違う事が起きた 。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!