そう、あの頃から心鳥の居ない3人の花鳥風月となった。
衣月は嘲笑うように微笑した。
うるさいな、
あんなやつのどこが大切なの?
何を気にかけてるの?
...意味がわからない。
イライラが募ってく。
2人に暴言をぶちまけて、ストレス発散。
怖がって後ずさった。
ほんと、ダサ
私は衣月の腕にぎゅっと引っ付いて腕を絡めた。
私には衣月さえいればいい。
衣月だけ居れば...。
────────
どうしてそんなこと言うのだろうか。
八重が、心鳥にどうしてそんな嫌悪感を抱いているのか...。
衣月と八重の間には深く強い絆がある。
その理由は2人しか知らないし、知れない理由。
八重はフイっと向こうを向いて不服そうな顔をした。
なるべく2人の時が良かったけど
仕方ない、か...。
あまりの剣幕に驚き、手が震えた。
心鳥もこんな気持ちだったのか。
いや、心鳥には外の世界に出る夢があったから...。
衣月が八重をなだめると、少し落ち着いた。
私もほっと胸を撫で下ろす。
衣月は八重に何かを呟き、八重は涙目で頷いた。
ねぇ、心鳥?
戦うから、私も
この醜くて汚い“花鳥風月”に必ず勝つから……。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。