翌日。
私が学校についてもまだ、
後ろの席は空席のまま。
みんなは怖がっているらしいけど、
案外私は楽しみにしてる。
ガタッ
後ろの席からその音がして、
すぐに振り返った。
校則違反の赤髪、
ダボッとした制服を着崩して、
鋭い目。
みんなは反射的に黙っているようだった。
おもしろい。
睨むようにそう言われて、
自分がジロジロ見すぎていたことに気がついた。
でも、こんなに人に興味が湧いたことは無い。
無視かい!
1人になりたい気持ちは分かる。
だから私はそれ以上何も言わなかった。
教室に高い声が響いた。
あ、去年同じクラスだった手越くん。
手越くんは学校内でもかなり人気な人で、
増田くんとの接点なんて思いつかない。
手越くんが私にそう尋ねた。
手越くんが付きまとっているってのが正解なのかな??
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。