朝起きると幸せそうに眠る彼女が腕の中にいる。
この日のために...
いろんな試練を乗り越えてきたんじゃないか。
大袈裟だけど、そうおもう。
5年前に、お互いの立場を考えて...
彼女と会わなくなってから、
ガムシャラに活動してきた。
眠る彼女にかかる髪の毛を横に払いのけ、
頭を撫でる。
そう静かに呟いた。
........
眠る彼女を起こさないように気遣いながら...
オレはまた仕事に向かった。
今日は東京ドーム2日目の公演。
楽屋は2部屋に分かれているのに、
結局どちらかにいつもメンバーが全員そろう。
これはずっと変わらない。
玄樹以外みんな固まる...
部屋中に『えっっっ?!』という驚きの声が止まらない!
驚くのも無理ないけど( ;∀;)
いわげん~( ;∀;)
やっぱり気づいて....
みんなが心配している。
ちゃんと話しておいた方がいいよな。
そう思って......
彼女は5年前にもう離婚が成立していたこと。
コンサートには友人に誘われて始めて来てくれたこと。
MCを聞いて、昨日鍵を返すために来てくれたこと。
会った瞬間キモチが溢れてしまったこと。
そのキモチは彼女も同じだったことも。
メンバーに話した。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!