~あなたmain~
ずいぶんぐっすり寝てしまった...
朝、目を覚ますともう彼は出かけていた。
テーブルの上に、
『おはよう!ゆっくりしてていいから!
コンサート今日も頑張ります!いってきます!』
岸くんの文字でメモが残されていた。
今日もコンサートだから、
きっと朝早く出ちゃったんだろうけど。
今日は日曜日だから、わたしも仕事ない。
でもきっと帰ってくるのは遅いだろうし、
明日は私も朝から仕事だから帰るべきかも...
連絡するにも、
彼を忘れるために連絡先を消しちゃってたから...
とりあえず、電話番号とLINEのIDをメモにかいて
家を出た。
昨日...コンサートに行ったらこんなことになるなんて。
ナミに感謝でしかない。
彼と出会った5年前と、今。
あの時には罪悪感が拭えなくて素直になれなかった。
もう、二人のキモチが重なった今、
離れたくない。そう、強く思った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。