テヒョンside

飛行機はその日に出発だった。

急いでスビニヒョンの分のチケットを取って、空港まで電車を乗り継ぐ。

空港に着くと、もうフライト直前で、僕らは慌てて飛行機に飛び乗った。

スビニヒョンは、余っていた席のチケットを取ったから遠い方の席になってしまった。

まあ、むしろそっちの方が好都合なんだけど。

窓の外をわくわくしながら眺めているボムギュヒョンに、僕はそっと聞いてみた。

🐿『…なんでスビニヒョンが僕のこと好きって思ったんですか？』

🐻『…………………』

🐻『初めてスビニヒョンに会った時から、思ってた。』

🐿『え、？』

🐻『テヒョナを見る目がね、僕とは違うんだよ。』

🐻『僕の前で怒鳴り合いした時も、一緒にご飯を食べてた時も、テヒョナを見る目だけは変わんないの』

🐻『ヨンジュニヒョンとは違うけど、似てる目だった。』

正直、ボムギュヒョンの言っていることがよく分からなかった。

目だけで人の恋心を見抜ける？

………でも、もしかしたらボムギュヒョンはそうやって、目を見ることによって人の気持ちを読んで、生きてきたのかもしれない。

そうやって、“あの人”達を刺激しないように………。

反対に、僕は今までそんなことしたことも無かった。

人の気持ちを読もうともしなかった。

🐻『ねぇテヒョナ。』

🐿『ん、？』

🐻『テヒョナは…それでもテヒョナは、僕の事好きでいてくれる？』