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第7話

304
2022/06/12 05:15










私は今凄く複雑な気持ちになっている
あなた
……
灰谷 竜胆
さっき会ったばっかりだよね!
あなた
…そーですけど
灰谷 蘭
俺らに会えて嬉しい?
……嬉しいわけないだろ!好きでもないアイドルがなんで私の家なんかに…
でもその反面、世界的に人気を誇ってるあのふたりが私の部屋にいることに私は少し嬉しくなった
あなた
……別に
灰谷 竜胆
んな事言うなって〜
灰谷 竜胆
本当は嬉しいんだろ
竜胆…さんはテレビの中だと冷たくて、クールで目付きが悪い印象だった。
でも握手会の時はファンのためにあんなふうに笑ってくれたんだろうか。
私はファンでもないのに
灰谷 竜胆
兄ちゃんだって嬉しいよな!
でも今目の前にいるのは4歳の男の子のような雰囲気を纏っていて、頬っぺは微かに赤みを帯びている

ほんの僅か子供っぽさが残っている口元が可愛い
灰谷 蘭
当たり前だろ〜
灰谷 蘭
俺たちのファンだぜ?嬉しいに決まってんだろ
蘭さんは凄くいい匂いがする。ブランド物の香水とかじゃない。誰かとすれ違った時に感じる人が生まれつき持って生まれた匂いのような。この匂いは蘭さんだって一瞬で理解できるような匂い。握手会の時もそうだった。
それにテレビの中だと髪型は一つくくりなのに目の前の蘭さんはツインテールの三つ編み
灰谷 竜胆
あなたの下の名前ちゃんだよね
あなた
はい
灰谷 竜胆
今度ドームツアーがあるんだけど
灰谷 竜胆
見にこない?
あなた
ドーム…ツアーですか
灰谷 蘭
そうそう
灰谷 蘭
学生さんとかに来て貰えるように夏休みの間に全国まわんの
あなた
へぇ〜
灰谷 竜胆
あなたの下の名前ちゃんも来るだろ?
あなた
…私は勉強しないといけないので
灰谷 竜胆
えー、夏休みに勉強すんの?
あなた
来年受験生なので
灰谷 蘭
そっか…
灰谷 蘭
じゃあ
その考えはどこから出てきたんだというような話を後にされることになる

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