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第1話

出会い
5
2018/04/17 12:13
 愛菜(マナ)は○○高校の2年生。実は色々な事情があって、一人暮らしをしている。新学期が始まり、高校生活にもすっかり慣れてきた。


そんなある日の放課後のことだった──


「うわぁ雨降ってんじゃん…」

愛菜の友達の友香(トモカ)が呟いた。
友香は愛菜の小学校からの幼馴染で同じクラスだ。

「ほんとだ。私傘持ってないのに…」

「だよね、私もだ。これじゃあ家に着く頃にはびしょびしょになっちゃうね。」

2人とも傘を持っていなく、学校の玄関で憂鬱になっていた。すると隣のクラスの下駄箱に一人の男子生徒が現れた。

「あ!みちくんだ!!」

友香が嬉しそうに声を上げた。みちくんとは隣のクラスの道也(ミチヤ)のことで、友香の彼氏である。

「あ、友香じゃん!それに愛菜ちゃんも!」

彼はサッカー部でとても爽やかなキャラで周り
のみんなにも好かれている。

「急に雨降り出したよな。友香、俺の傘入ってく?」

道也は友香に話しかけた。

「うん、気持ちは嬉しいけど愛菜がいるから…」

「え!!私はいいよ!道也くん、友香の事お願いね!」

友香と道也は申し訳なさそうな顔で帰って行った。2人ともすごく優しい性格だからみんなに好かれるんだなと、改めて実感した。


あれから20分ぐらい経った。雨は一向に止む気配は無い。愛菜は仕方なく濡れて帰ることにした。
上から降ってくる雨もそうだが、水溜りを踏むたびに跳ね返ってくる水がとても冷たかった。
走り疲れた愛菜は走るのを辞め、歩き始めた。ここから家までは徒歩3分。雨も小降りになり始めた。

「よかった、これで少しはマシかな。」

歩いていると、「ミャーミャー」と声が聞こえた。とてもか弱い声だ。
周りを見渡すと、道の隅にダンボールに入った子猫がいた。

「えっ…もしかして捨て猫?」

ダンボールには【拾ってください】とシンプルに書かれてあった。家はアパートだか小動物1匹を飼うのは認められていたので、連れて帰ることにした。

「こんなに小さいのに、可哀想…今すぐに帰って温めてあげるからね!」

そう子猫に話しかけて、愛菜は再び走り出した。

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