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第59話

家族のカタチが如何であれ
外に出ると車へ促され入る。

入るなり聞こえて来たのは敦の「ギャァァァァァァァァァァァァ」と悲鳴と言うか断末魔。
其の声と光景を見て顔を青ざめて居る探偵社社員
数名(谷崎、国木田)と更に顔色の悪くなった芥川。
中では敦の”治療”真っ最中だったのだ。

「与謝野さん!羽那ちゃんも頼みます」
「は!?此奴に任せンのかよ!!」
「与謝野さんは治癒能力の異能者だよ」
「でも敦大変なことになってンじゃねぇか!」

ほら!俺が言うと使用中のチェーンソーを止めた。
否、先ず治療中にチェーンソーって可笑しくね?

「失礼だねェ。妾の異能は半殺しにしないと発動しないんだよ。怪我によって治療の回数も変わる。
あ、さっき芥川が運んで来たのは終わったよ。」
「有難う御座います与謝野さん」

さっきの二人?と思い視線をずらすと敵がピカピカになって白目を向いていた。

「賢治君と鏡花ちゃん彼等を此処へ連れて行って
欲しい。意能特務課と待ち合わせしているからね」
「任せて下さい!」元気良く返事をした賢治と呼ばれた少年は乱暴に二人を抱え上げる。
「目覚めたら如何すれば良いの?」
「動けない様にするといいよ」
「わかった。」
鏡花は頷き賢治と一緒に歩いて出て行った。


「・・・荒手の拷問かよ」
「ほら、その子寄越しな!」

不意を憑かれた俺は羽那をとられる。

「おい!手前、」
「じゃあ治療始めるからねェ?」





与謝野と云う女は羽那の服を脱がせ始めた。

「は?え?・・・何して・・・え?」
「服着せてちゃ治療出来ないだろう?」
「そりゃそうだけど・・・」
「早く済ませるから待ってな。」

俺は黙って待つ事にした。・・・後ろを向いて。



「うわぁ羽那ちゃんの肌白・・・グフッ」
「なァに人の彼女の裸見ようとしてンだァ?」

鯖野郎の腹に一突き喰らわせる。
そんでもって急いで羽那に俺の服を掛けた。

「てか全員出ろ!!外に出やがれ!」
「中原さん何故故ですか!?」
「じゃねェと其の外套燃やす。」
「今すぐ出ますので其れだけはどうか」
「おらそこのチンピラ(谷崎)と眼鏡(国木田)もだ!」
「は、はいぃぃぃぃ」
「眼鏡とは何だ!」
「るせェ!とっとと出やがれ!」
「中也私は良いでしょ〜?」
「今迄の女に住所バラしたいんなら居て良いぞ」
「良し、直ぐに出るとしよう。」







_______________何とか全員追い出した。



「はァーー」
「あんたも大変だねェ」

治療をしながら女が口を開く。

「探偵社は躾が成ってなさ過ぎる」
「そりゃ悪かった。」
「・・・なァ、」
「何だい?」
「家族ってどんなモン何だ?」
「家族?知って如何するのさ」
「如何もしねェよ。気になっただけだ」

答える訳ねェか、と思いながら帽子を被り直す。

俺は家族が居ない。
だから部下何かの話を聞いて家族って関係を知った
でも羽那の処は部下から聞いていたものと丸切り違う。愛情も無ければ情も無い。有るのは支配欲と自己満足のみ。俺は思った。
家族は本当に必要なのか?と。

「中原中也、」
「あ?」
「家族ってのはね本来は自分を救けてくれる
大切な処であり守るべき場所さ。」
此の子は違うようだけどね、と付け加えた女は少し間を置き「でも此の子にはあんたが居るだろう?」と微笑んで言った。

「・・・嗚呼、そうだな。」















此奴には俺が居る。

俺には此奴が居る。




_______________それで充分じゃねェか。