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第48話

夢か、記憶か、幻か
敦said


酷い息苦しさで目を覚ました。
すると目の前の眼鏡を掛けた男性が僕の胸倉を
掴み持ち上げている。
何が起こったんだ・・・・・・!?
何で僕は掴まれている?!
状況を理解出来ないまま、身の安全を守る為に必死に抵抗をしてみる。が、脚が浮いた状態では解くことは難しい。
段々と苦しくて力が入らなくなってきた頃、不意に喉元の窮屈感が無くなった。力が入らない僕は其のまま地面へと落ちる。

硬いコンクリートに落ちた痛み。
顔が歪んだのが分かった。
「羽那、反省したか?」
眼鏡を掛けた男性が苛ついた声色で言う。



・・・・・・ちょっと待って。
い、今・・・は、羽那って言わなかった・・・?



人違いです、と言おうと顔を上げた時、頭の中は
真っ白になった。
男性の眼鏡に反射して映っている姿。
其れは僕の知っている羽那さんそのもの。
強いて言うなら此方の方が目付きが悪い。




嘘だろ?
本当に僕は今・・・羽那さんに・・・?










「無言か。」
パッと赤いものが飛び散るのが視界の隅に映った。
遅れてくる激しい痛み。
見れば脹脛(フクラハギ)が刃物により貫通している。
「言う事を聞く聞かない奴は嫌いだ。」
ブスり、もう一本脹脛に刺される。
やめてくれ、声を出そうとしたが口は歯を食いしばるばかりで僕の意志を聞いてくれはしない。
出血死するのでは?と思う程の血が流れている。



「ほら何時もみたいに怪我した所を刺せ。」

男性はそう言って刃物を僕に持たせた。
・・・刺す?
怪我した所を・・・・・・?
痛い場所を・・・抉れと言うのか・・・?

刃物を拾わない僕。
何時までも拾わない事に腹が立ったのか、髪の毛をグッと掴まれ罵声を浴びせられた。


「言う事聞けよ。リンカを刺すぞ!」

リンカって誰だ?
・・・・!!

何時の間にか僕は左手に刃物を持っていた。



嘘だろ、やめてくれ。

心が必死に叫ぶ。

心臓がバクバク音を立てている気がする。

然し実際の此の身体は汗一つかいておらず

心臓も激しい音を立てていなかった。



左手はゆっくりと刃物を上に掲げ、其れを迷うこと無く、先程刺された場所へと・・・





____嫌だ、やめてくれ______________________________