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第57話

彼女の生死は如何に?
「羽那は何処だ。」
男性に芥川君は無愛想に言い放つ。
「羽那・・・あー、あの子」
「彼奴は無事か。」
芥川君が聞くと男性はニタァと笑った。
其の顔で「御自分で確認して下さい」と言いiPadを取り出すと映像を流す。


身体中傷だらけ、血だらけの羽那ちゃんの姿が映し出され細い首と腕に太い鎖が繋がれている状態。
力無く壁にもたれ息をしているかも分からない。


「無事に見えます?僕は見えませんが。」
「貴様ァァァ!!」

芥川君が叫びながら羅生門を男性へと放つ。
男性はiPadを大事そうに抱えながら自身の
異能で羅生門から身を守った。

「流石遊撃隊隊長、芥川龍之介。」
「羅生門・黒波濤!」

帯を出現させ男性を捕えに掛かる。
然し男性は器用に避ける、避ける。
其れを見て彼は眉間の皺を深くした。
今、芥川君は敵しか見ていない状況で拙い。

「芥川君!一旦離れ・・・」
「羅生門・獄門顎!!」

私の指示を最後まで聞かず、勝手に技を出す。
男性に向かう悪食・・・次の瞬間、異能が消えた。
男性が芥川君の異能を切り裂いたのだ。

「何っ・・・!」
「朝の鏡」

私は厭な予感がして咄嗟に男性の腕を掴む。


_______________異能力・人間失格。



間に合ったらしく芥川君に危害は無かった。

「・・・異能無効化」

男性が呟くと同時に腹部に激しい痛み。
私は崩れ落ちた。

「異能無効化の異能は余り役に立ちません。
だから僕は貴方に興味が無い。」

ボソボソと言いもう一度スタンガンを私に中てる。

「いっ・・・」
「太宰さ・・・!」
「此方に来たら彼を殺す。」

男性は私の頭部に銃先を向け芥川君を脅した。
芥川君は睨みながらも動くのを止める。

「貴方の目的は?」
「羽那を此方へ戻すつもりだったんですよ。
でも光を魅せられた様で僕の言う事を聞かない。
可笑しい、ポートマフィアが光を魅せるなんて。
そう思いません?・・・だから腹いせに貴方にスタンガンをあて続けよう。」

バチンッとスタンガンから火花が飛ぶ。



「痛い死に方は・・・厭だなぁ・・・・・・・・・ねぇ中也?」






















「何・・・!?」

男性が左を向いた瞬間、待ってましたと言わんばかりに中也が蹴りをかます。異能を発動していない中也だが男性の身体は吹っ飛び、眼鏡が床に落ちた。

「よォ、主犯格。覚悟出来てンだろうなァ?」
「何で貴方・・・!」
「寝かされてたんだよ・・・ッたく酷ェ夢だった」

男性に近付いた中也が襟を掴みあげる。

「ッい!」
「手前が夢に出て来て凄ェ苛ついてンだよ!」

中也が男性を殴り、べキッと厭な音が聞こえた。
あーあ、男性の骨は折れたらしい。

「ア”?白目向いてンぞ此奴」
「中也其れ位にしときなよ」
「・・・気が収まらねぇが羽那を助けにたいしな。」

中也が言った言葉に少し戸惑った。
伝えなければならないだろう。
羽那ちゃんが”無事では無い”かも知れないこと。

「太宰さん・・・」

芥川君が不安そうに私を呼ぶ。

「・・・芥川君は敦君と其の二人を外で待機している
探偵社に渡して来て呉れ給え。」
「承知。」

平然そうに指示をすると彼は一礼し去って行く。





























教え子の去って行った方角を見ながら
私は口を開いた。


「ねぇ中也」
「ンだよ」

中也の方を向き伝える。

「羽那ちゃんね、無事じゃないかも知れない。」






「・・・・・・・・・は・・・?」


戸惑いを見せた瞳が ゆるり と動いた。