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第7話

悪夢
【中也said】
「死ぬ気で守れ!!」
俺の指示が聞こえない程の銃声。
然して、悲鳴。
近くの部下が震え声で「地獄だ・・・」と呟いた。
確かにゾンビの様に人間を襲ってくるのを見ていると地獄絵図である。然し首領の指示の為何としてでも此処を守らねばならない。
だが俺の部下である羽那の安否が心配だった。
あの後電話は途中で切れ、ポートマフィアにも戻っていないという。
「羽那幹部!!!」
一人の部下が叫び反射的に其方を見る。
確かに数十メートル先に羽那が居たのだ。
良かった。無事だったのだ。
一人の部下が羽那に駆け寄って行く。
だが羽那はずっと下を向いていた。
・・・様子がおかしい。
・・・真逆!
「おい!戻れ!!」
――――俺が叫んだと同時に羽那に駆け寄って行った部下の首から血が噴き出す――――
「羽那幹部!?」
周りの部下達は一気に戸惑い始める。
「・・・あんたら全員、覚悟しろ。」
ドスの効いた声で彼女が言った。
その威圧感に数人の部下がカタカタと震え始める。
間違いない。彼奴は異能に掛かってやがる。
・・・俺が止めるしかねェ。
「手前等!此処は死んでも守れ!!」
俺はそう怒鳴り羽那に近付き、言った。
「手前の相手は俺だ。」
















「糞っ!」
羽那の攻撃を避けながら俺は考えていた。
このままでは彼女を殺さなければ成らない。
然し、そんなコト俺には・・・
「!」
羽那の左ストレートを両手でガードしたが待ってましたと言わんばかりに空いた脇腹に思い切り蹴りを入れ込まれる。
其れにより俺は吹っ飛ばされた。
「・・・ってェな」
「許さない・・・!」
「!」
声と同時に察知した殺意により何とか避ける。
大きな音と煙の後、先程まで自分が居たところは羽那が投げたトラックにより潰されていた。
「・・・まじかよ」
嫌な汗が背中を流れる。
彼女は本気だ。
手を抜けば殺られる。
今の此奴は組織の”敵”。
殺すしかないのだ。
だが・・・
此奴を殺すなんて俺には出来ない。
今は此奴に訴えるしかない。
そう思い
「馬鹿野郎!俺だ!!中也だ!!」と必死に訴えるが羽那の心には届いていない様子だった。
一体どうすりゃ良い・・・?
一体・・・・・・
「中也さん!下がって下さい!!」
反射的に言われた通り下がると・・・何と羽那に数人の部下が一斉に羽那を撃ち始めたのだ。

・・・数発、羽那に当たり”倒れるのが見えた。”

「馬鹿!止めろ!!」
部下達を怒鳴り制止を促す。
然して動かない羽那へと駆け寄った。
「羽那!しっかりし・・・」

















――――サクッ――――
















右胸に痛みが走った。
羽那は倒れた”フリ”をし油断させ俺を刺したのだ。
「敵・・・許さない・・・許さない・・・!」
刃物を俺の身体へ捩じ込ませる彼女。
その目は憎しみしか感じられなかった。





















俺は羽那を優しく包み込んだ。
「羽那、俺は手前の味方だ・・・だか、安心し・・・ろ」














そう言い、俺はぼんやりと意識を手放した。