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第41話

任務前日
中也さんと付き合い始めて何度目かの彼の家。
私がソファに座りテレビを見ているとキャリーケースを中也さんが部屋に運んで来た。

あぁ、もしや。

「明日から姐さん等と任務で遠出だ」

・・・・・・やっぱり。

キャリーケースに衣類等を詰めながら中也さんが言った。遠出かぁ・・・少し寂しいと思い「何日程で帰って来ますか」と聞くと「まァ長くて三日って所だな」と私の気持ちに気付くことなく教えられた。
「そうなんですか。」

短く答えて寂しい事をバレぬようテレビを再度観ようとする。すると中也さんが隣にストンと座った。
「手前、下手くそか」
言われ軽くデコピンをくらう私。
「痛っ・・・何がです?」
「当ててやる。手前寂しいんだろ?」
「さ、ささ寂しくないですよ」
「そうなのかァ?」
ニヤニヤしながら言う彼の頬をつねった。
「上司への反逆行為か」
「恋人としての攻撃です。」

不機嫌そうに私は言ったのだが、中也さんの顔がみるみる赤く染まっていく。・・・て、照れてる?

「照れてます?」
「て、照れてねぇよ!!」

顔が真っ赤なので説得力がゼロだ。
そんなに照れられると逆に私が恥ずかしい。
だから私は中也さんの頬から手を離した。
お互い恥ずかしいからか顔を逸らしていた。
だが、急に中也さんが此方を向く。


「羽那実はな、明日からの任務は手前の親父を捕まえる任務だ。ようやく居場所を特定した。」

先程の雰囲気とは大違いで声は淡々としている。
私の父親がポートマフィアに捕まろうが関係無い。
否、寧ろ嬉しい。彼奴はリンカを無駄死にさせたのだ。其れからポートマフィアの利益を横取りもしていた。だから捕まえるのは大賛成・・・なのだが。
何か嫌な予感がする。
私の父親は慎重だ。
居場所を特定されるなんて正直、有り得ない。


「どうやって居場所が分かったんですか?」

尋ねると中也さんは”聞かないで欲しい”という
顔をした。然し気になるので黙って見つめていると

「・・・姉さんトコの女に引っ掛かったンだとよ」
と爆弾発言。
「・・・因みに年齢は」
「・・・・・・二十代前半・・・」

これはキツい。
自分の親が自分と近い年齢の人に引っ掛かり罠にハマったと聞くのは自分の事ではないが堪らなく恥ずかしい気持ちになる。
「・・・・・・・・・・・・」
「だから言いたく無かったンだよ!」
「聞きたくなかったです」
「手前が聴いてくるからだろ!?」
「答えなきゃ良かったんですよー」
「教えねぇと五月蝿ぇだろうが」
「お酒くれると静かになりますよ?」
「酒好きの女はあンまり好みじゃねぇなァ」

態とらしく中也さんが言ったので「五月蝿いです」と言い返したがお酒を控えようと思った羽那であった。