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第64話

此処だけの話
「面倒臭い」
「え?何がー?」
私は大きく溜息を吐く。
中也さんが何処かへ行って、数分後変な男性が
話し掛けて来たのだ。
本当は殴りたいが服や手を汚したくないので我慢。

「何処か行こう?」
「私、人を待ってるの」
「男?男?」
「そう。だから無理」
「なーら、俺が奪っちゃおうか・・・」
「羽那」

男性の言葉を遮り私の名前を呼んだのは・・・彼だ。
私はあからさまに表情を明るくする。

「中也さん!」
「待たせたなァ・・・其奴は?」

中也さんは私に絡んでいた男性を見ながら問う。
すると命知らずな男性は中也さんを見るなり
明るい声で話し始めた。

「男ってもしや此のチビ?うわー有り得な・・・」

言葉が終わる前に私はムカついたので男性の膝裏を蹴った。見事に命中し、男性が膝から地面に落ちる際、更に中也さんが男性の腹部を蹴った事により、仰け反る様に男性は地面に向かい後頭部を直撃する。
「い”っ・・・!??」男性が頭を押さえ転がるが、
容赦なく中也さんが髪の毛を掴み起き上がらせた。
「い、痛いって!」
「誰がチビだって?アァ”?」
「ごめんなさい!!ごめんなさい!」
「勝てねェ癖にイきがってンじゃねェよ」

中也さんは人を殺せそうな目付きで睨みながら
雑に掴んでいた髪を離す。
男性は余程怖かったのか地面に其の儘尻を着いてしまったが「失せろ」と中也さんに言われ大急ぎで何処かへ走って行った。


「雑魚が」
「あ、あの迷惑掛けました。」
「掛けられちゃいねェよ、良い蹴りだったぜ」
「褒めてませんよね」
「ヘヘッバレたか?」
「バレバレですよ・・・其れ買ったんですか?」


私は中也さんが持っていた風車を見て訊ねる。


「手前にな。」
ほらよ、と言われハテナマークを浮かべながらも
自然と出た手で受け取った。


「有難う御座います」
「其の風車、魔法が掛けられてるらしいぜ?」
「魔法?」
「相手が笑顔になるンだと。手前にお裾分けだ。」
因みに俺も笑顔になったぞ、と魔法を信じている様な言い方をしたので笑ってしまった。


「あ、ほら笑っただろ?」
「本当ですね」

ドヤ顔で言ってきたので更に笑ってしまう。
本当、こういう所に鈍感だと思いながら。
知らないんだろうな。




_________私は貴方に会うだけで笑顔になれること。





















「この後暇か?」
「是非。」
「未だ何も言ってねェぞ」
「顔に書いてます」

自慢げに彼に言うと彼は「態とだ」と言い訳を
零しながら私に手を差し出した。

「・・・行くぞ。」
「はい」




中也さんの耳が紅くなっていたのは此処だけの話。