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第17話

俺は。
その頃、中也さん――――


家に忘れ物をした為、俺は帰宅していた。
これも朝にあんな事があったから・・・
否、あの件は事故として終わった。
シて無いしセーフセーフ。
無理矢理そんな風に自己解決し家の扉を開ける。

「あ!ちゅーや帰って来たわ!」
笑顔で走って来た金髪の少女。
「エリス嬢御出迎え有難う御座いま・・・・・・
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!!」
ちょっと待て。
何でエリス嬢が俺の家に居る。
朝、エリス嬢居なかったよな?!
混乱した俺はエリス嬢の頬を触ってみた。
「・・・本物・・・・・・」
「当たり前じゃない!!」
そこへ首領が来た。
「やぁ中原く・・・エリスちゃん?!何で頬触らせてるの!!触って良いのは私だけだよ(´;ω;`)!」
「ちゅーやが勝手に触ってきたのよ」
「ええ?中原君!」
「いえ、本物か確かめようと・・・!」
「どう見ても私は本物よ?!」
「そうだよ!こんな可愛らしいお人形の様な偽物は世界中何処を探しても居ない!!!」
「リンタロウは気持ち悪い!!」
「エリスちゃーん(´;ω;`)」
「情けない首領じゃのう・・・のう中也や?」
小首を傾げ同意を促してきた。
・・・気が付けば姐さんも居るじゃねぇか。
何でこの人達が此処に居る??
「筋肉馬鹿の中也に教えよう!私が呼んだ☆」
そう言いながらウィンクをしてきたのは俺の大嫌いな青鯖野郎こと太宰だった。
つーか待て待て。
「どうやって入ったんだよ?!!」
「ん?ピッキングでちょいちょいっと」
「気持ち悪!!」
「元マフィアだよ?此くらいは当然だね」
「現マフィアから一言。気持ち悪!!」
「え?部下を襲う様な君に言われたく無いなぁ?」
「!???!」
嘘だろ?何で此奴知ってんだ!?
羽那が言った?否、言う訳が無い。
思わず動揺して固まってしまった俺を見て姐さんが「なんと!あの映像は本物だったのかえ?!」と驚いた顔で太宰を見た。
「だから言ったじゃ無いですか」
「映像って・・・手前真逆・・・」
「うん監視カメラつけといた☆」
「糞太宰!!!!」
「にしても中原君も獣だったんだねぇ」
「首領!誤解です!あれは・・・・・・」
「中也が此処まで育ったのは、わっちにとって本当に嬉しい限りじゃ。じゃが・・・」
そこまで言って言葉を終わらした姐さん。
どうしたものかと思いハテナマークを浮かべる俺を見て太宰は驚いた顔をしながら「え、自分が何したか知らないの?」と言ってきやがった。
「知らねぇ。」
「「「まじか」」」
「・・・けど、何もされて無いって羽那は言ってた」
「・・・取り敢えず中也、映像観ようか。」
困り顔でそう言われたので俺は自然とぎこちなく返事をしたのだった。













「中也、見た感想は?」
「死”に”た”い””」
「うわ、帽子置き場が私の台詞取らないでよ」
太宰が何か言ってくるが今はどうでも良かった。
そりゃどうでも良くなるよなぁ・・・
だって
「部下に無理矢理キスしてた・・・・・・」
「あはは良い気味だ」
「張り倒すぞ」
「此処のシーン見てよ。中也勢いで告白してる」
「うああああああああ!!!」
俺はリモコンを太宰から力ずくで奪いテレビに向かってをぶん投げた。ガシャンッと機械が壊れた音。
「・・・太宰弁償しろよ」
「壊したのは君でしょ」
「壊すように仕向け・・・」
「中原君は羽那君が好きだったとはねぇ」
ニコニコと明るい笑顔で言ってきた首領。
「違います!!絶対違います!?!」
「え?違うのかい?」
「はい!断じてそのような事は・・・」
「でもちゅーや、手前が好きだからだよって言ってたわよ?」とケーキを頬張りながらエリス嬢が悪気が無さそうに言った。
「エリス嬢・・・」((やめてくれ))
「何その臭い台詞」
「黙れ貧弱野郎」
「貧弱でも中也よりは顔立ち良いから」
「分かったから黙って死ね」
「おや?すんなり認めたね?」
「認めたから死ね」
「なら羽那ちゃんを頂こうかなあ?」
シン、と一瞬だけ静かになった。
「・・・彼奴は俺のモンじゃねぇ。だから取るなって言う権利は俺には無ぇよ。けど、泣かしたら・・・
そん時はタダじゃ済ませねぇ」
不思議と言葉が溢れた。
そして喉もカラカラになった。
緊張しているのか?
俺は。今。
なんで、?
「ふぅん」
「何だよその返事」
「だってさぁ、私が今まで心の底から愛した女性、見たことある?」
「・・・」
「無いよねぇ。ふふっ私が取ったら結末目に見えてるじゃあないか。其れなのに君は泣かすななんて言うんだから意地悪だね」
「何が言いたい」
「君があの子と付き合うべき」
「でも・・・」
「取られても良いのかい?」
「・・・っ」
言葉に詰まった。
取られ・・・・・・るのは嫌だ。
然しこの感情は部下としての情からなのか、
異性としての愛なのか俺にはまるで分からない。

「わっちは反対じゃ。」
ピシャリとこれ迄黙っていた姐さんが口を開いた。
「何故です?」目を細めた太宰が問うた。
「今言うのも何じゃが・・・羽那が以前居った組織が羽那の居場所を特定しておる。」
「「「!?」」」
「時期、押し掛けてくるであろう。その時に中也が利用されたら如何するのじゃ?羽那を捕まえる為に狙われたら?もしくは逆も考えられる。五代幹部を殺す為に羽那を餌にするかもしれん。そうなればポートマフィアは莫大な被害を食らうぞ」
「だから羽那ちゃんを切り捨てろと?」
「そう云う事では無い・・・あの子は優秀で愛い。じゃがのう・・・所詮は敵組織の童。見切るのも大切じゃとわっちは思うぞ?」
そう説明する姐さんは何処か寂しそうだった。
それもそうだろう。
姐さんは鏡花程では無いが、羽那に対して愛情を持って接していた。そんなの見てわかっていた。だからこそ、懸命に考えた姐さんの決断なのだ。
俺は姐さんに従うべきだろうか。
従えばポートマフィアに被害は余り無い。
然し、羽那が居なくなるだろう。
部下か。上司か。
何方を尊重するべきか、?





以前、羽那が言っていた言葉を思い出した。

今まで普通の家に生まれて世の中の云う、
普通に生活したかったと思っていた。
でも、中也さんに出会えたことを思うと
”良かったかもしれない”と。

そう言って俺に笑いかけた部下の顔は
ただただ美しくて綺麗だった。






「姐さん」
「何じゃ?」
「・・・・・・・・・俺は・・・羽那が好きです。彼奴を、俺が幸せにしてやりたい。」
「・・・そうか。お主が言うなら、わっちも諦めて
そなたを応援せんといかんのう」
と上品に笑ってみせた。
「有難う、御座います」
「さて!姐さんも認めてくれた事だし、早速
中也に告白をして貰いに行こう!!」
「そうしましょう!✨」
「いや、は?」
「ちゅーや!善は急げ、よ!!」
そう言ってエリス嬢が俺を家から出させようと
グイグイ押して来た。
「いやいないや!早いですよ!?」
「早いも何も無いよ中原君」
「世の中にはじゅ、順序というものが」
「それなら、先ずはお付き合いしてからちゅー
しなきゃ駄目よ!ちゅーや!!」
「エリス嬢!?!其れは言わないで下さいぃぃぃぃぃ!!!!!!」
「中也だっさー」
「シバくぞ糞鯖!!」
「これ中也!行くならさっさと行かぬか!」