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第36話

根性が腐った男1
_______________ミーンミンミンミン_______________







_______________暑い。


そう思いながら俺、中原中也は階段を全速力(異能)で駆け上がって駆け上がって・・・










「今日こそ手前の命日だァァァァ!!」







何かに寄り掛かっている人物、太宰治に思い切り
命日宣告をする。

「其れは嬉しいねぇー」
「くそ!喜ぶんじゃねぇよ!それより手前!!
あの事探偵社に言ってねぇだろうな!?」

”あの事”とは俺が以前酔った勢いで羽那を襲おうとした事である。其れを餌にして此奴は俺を呼び出したのだ。いつも通りの卑怯な手口である。

「あぁ、今は言ってないよ」
「絶対言うなよ!絶対だからな!?」
「五月蝿いなぁ」
「五月蝿いってなん__________」

俺は言葉を途中で止めた。
此奴の寄り掛かっているものを見たから。
其れは墓石だった。
墓石に刻まれてる名は”織田作之助”。
此の性根が腐った男の数少ない友人だった相手。

「如何したんだい?」
不思議そうに尋ねてきやがる。
知っている癖に。

「・・・死人にまで迷惑掛けんじゃねぇよ」

俺はそう言って帽子を取り墓に軽く頭を下げた。

「・・・そういう所、マフィアらしくない」
寄り掛かったまま太宰が言う。

「煩ぇよ、ほら鯖野郎は退け」
「蛞蝓が生意気だね」
「焼いて食うぞ」
「塩かけようか?蛞蝓は溶けちゃうよー」

鯖野郎の言葉にイラッときたが・・・抑えた。

「・・・で、要件は何だ」
「おや、言い返して来ないのかい?」
「手前と違って暇じゃねぇんだよ」
「私も忙しいんだけど。」
「どの口がほざく」
「この口だけど?」
「手前・・・」

俺が握り拳を握って耐えている様子を見て満足そうな顔をした。其れに更に殺意が沸く。
言ってやろうと口を開こうとした矢先、太宰が
口を開いた。


「君、まだ羽那ちゃんに告白していないの?」


”羽那”という名を出され表情が引きつった。
今ので太宰にはバレただろう。
余り関係が宜しくない現状を。


案の定、太宰に
「上手くいっていない様だねぇ。
いつになったら臆病中也は想いを告げるのかな?」
と言われた。
「俺は臆病じゃねぇよ!」
「じゃあ何で言わないの?」
「・・・っ」












言える訳がねぇ。
芥川と羽那が付き合っているかもしれないなんて。
”似合ってる”と思ってしまった、なんて。







「・・・俺の勝手だ」
「何それ。理由無いの?」
「手前に言う訳ねぇだろうが」
「へぇ、そっかぁー」

そう言い太宰の視線は空を仰ぐ。



























風邪が心地好く吹いた後、
太宰は此方へと視線を戻す。
而して告げた言葉。







































「私が奪っちゃおうかな?」


















































俺の心が”ドクン”と嫌な音を立てた。