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第65話

此処だけの話 (中也編)
人が多い場所は嫌いだ。
どうせなら花火を二人きりで観たい。
歩きながら考え約一分・・・・・・等々俺は閃いた。
やってやろう、喜ぶかは解らないが。


「人・・・多いですね」
俺の計画を知らない羽那が言う。
「邪魔だな。」
「まぁ仕方無いですよね、何処で見ます?」
何処も人だらけですけど、と苦笑する羽那に俺はバレない様に口端を上げながら「良い場所がある」とだけ伝え人気の無い裏通りに連れて行った。


「此処ですか?建物で花火見えませんよ」
「俺の異能遣うのに人間が居たら拙いだろうが」

え?とあっけらかんとした顔。
そんな顔を見て内心満足しながら手を出す様に促すと状況が理解し切れてない顔で差し出してきた。
手を掴み其の儘横抱き、俗に言うお姫様抱っこ
というのをしてみせた。


「ち、ちゅ、中也さん!?」
「何だ?」
「何だじゃなくて・・・其の・・・」
言葉が出ないのか口をぱくぱくとする此奴を見て
俺はニヤついて見せた。
そんな俺を見て羽那が「早く降ろして下さいよ」と
強気に言ってみせる。

「待て待て、今から行くんだよ」
「・・・何処にですか?」
「空。」
「!?ちょっと、待っ・・・」








_______________”重力操作”

異能発動によりふわり、二人共重力に反す。
初めての感覚で怖いのか羽那は「わ、わ」と言いながら俺のシャツをギュウと掴む。・・・可愛いなァ












ニヤつき過ぎただろうか。
”ムニッ”頬を軽く摘まれた。

「なんだ上司の頬を摘むのか」
「ずっとニヤニヤしてるからですよ」
「ンなこと言うと落とすぞ」
「落としたら未代先まで呪いますからね」
「じゃあ手前は自分の子供を呪うことになるなァ」

俺が態とらしくそう言うと羽那は顔を真っ赤にしながら「せ、せ、セクハラですよ!?」と言う。
「勝手に言ってろ」
「・・・首領に報告しますからね」
「其れは勘弁してくれ」
本当に其れだけはやめてくれ。

「えぇ、如何しようかな?」
「手前覚えてろよ」
「仕返しですよ」












______満足げに笑う彼女に改めて心奪われたのは

此処だけの話である。_________________