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第56話

悪夢の張本人
少年と戦い始めて三分から五分は経過しただろう。

_______________ドスンッ

少年の身体がコンクリートに叩きつけられる音。
私が投げた為である。
彼は私が頭脳戦を得意とすることを頭脳戦しか
使えないと解釈していたらしい。
私だって之くらいは出来る。

「痛ったーい、なァ!!」
立ち上がって向かって来た右拳を腕で防御するも
”ミシッ”と嫌な音を立てた。
「・・・ッ」
「其の顔!其の顔!!」
ガッ!と後頭部を打ち付ける痛みがした後、
少年が私に乗り其の手で首を締め始める。
「ウ”ッ」
「苦しむ顔最高!けど、両親が目の前で殺された俺の哀しみは此の位じゃ足りねーから。」

ほら矢っ張り中也が庇った子じゃないか。
折角殺さなかったのに仕返しとは恩知らずだ。
頭の中で言いながら首を絞める力が強くなっても
私はされるがままにしておいた。

何故?
其れは______________________________



















「太宰さん!!!」

敦君と芥川君が来たから。

芥川君が異能で少年を摘み上げた為、一気に
肺へ酸素が送られ私は咳をしながら身体を起こす。

「覚えておけ。太宰さんを殺すのは僕だ。」

彼は少年に言うと異能で壁に叩き付けた。
うわぁ痛そう。


「太宰さん大丈夫ですか・・・って中原さん!?」
「あれは彼の異能で寝てるだけだから大丈夫。
・・・ところで敦君達は生きていたんだねぇ」
「残念そうに言わないで下さい。刃物が床や壁から出て来て串刺しになる所だったんですよ僕。」
「あれは成って居たに等しい。」
「お腹と腕が刺されただけだ。因みに合計7箇所」
「うん、其れだけ刺されれば充分だね」
「逆に何故貴様は生きている。」
「超再生だよ芥川。超・再・生」
「仕方無い。望み通り切り刻んでやろう」
「望んでない!」

私の部下に成る子達はタフらしい。
然して殺り合いが好きらしい。
・・・・・・・・・・・・・・・違う、其れ処じゃない。

「ストーップ!中也起こすよ」
「・・・あ、はい!」
「・・・承知。」

返事をした敦君は小走りで中也の処へ向かう。

「早いねぇ」
「・・・」
「芥川君は行かないの?」
「貴方が未だ座ってます故」
「君って子は、」

呆れながらもこう育てたのは自分のせいなので
之以上言うこと無く立ち上がっ・・・

















「ッッ_______!!」

突如芥川君の居た場所から刃物が針の様に出現。
寸前で交わした彼は異能で空中に浮かび上がり、
異能無効化の私は無事だったが・・・。

敦君の方を見ると串刺し所か、針山に刺された様な痛々しい姿で力無くぶら下がっていた。



「人虎!!?」

叫んだ芥川君が敦君へ駆け寄ろうとした矢先、横から太い刃物が芥川目掛けて飛んで行く。

「空間断裂!」
「くっ・・・!」

私の指示で何とか身を守る芥川君。
















パチパイパチ。

「何て使い勝手の良い異能だろうか!」

嬉しそうな男性の声が谺響する。
見ると主犯格である羽那ちゃんの父親が立っていた。