羽那を救出し一週間が経過したある日。
「ヘェ」と俺、中原中也は一人呟く。
今、何をしているかと云うと仕事終わりに目に止まった貼紙を立ち止まりじっくりと見ている所。
内容は昨夜から行われている祭りの事で明日には何十万発もの花火が横浜を彩ると記載されていた。
花火、ねェ。
正直人集りが余り好きでは無い。
だから観るのは好きだが、観るまでが嫌いだ。
でも、彼奴と観るなら・・・
「・・・・・悪くねェな。」
羽那の笑顔を思い出しながら俺は呟いた。
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羽那said
「花火・・・」
貼紙の写真を見て、私は其の名称を言った。
色取り取りで鮮やかな写真。
美味しそうな屋台の食べ物。
・・・・・・是非中也さんと行きたい。
任務は有る。けど戦わないから大丈夫だし、洋服もお洒落なやつ(仕事に差し支えない程度)にすれば着替えたりする時間も掛からない。
後は誘うだけ・・・明日の朝にでも誘おう。
決心した私は中也さんと観る花火を想像しながら
帰ったのであった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。