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第54話

予想範囲内
僕の異能により生み出された刃物は少年の腹部を貫通する。二秒後、無数の刃物が出現し彼等を襲う。
然し監視カメラにも刺さったらしく画面が砂嵐により続きは見えなくなった。
だが、二人は殺られてくれただろう。僕の異能で。


チラリと娘を見るが顔が下を向いて動かない。
・・・二人が死ぬ映像は堪えたらしい。
効果絶大といった処か。だが僕は止めてあげない。

二度と裏切らない様に絶望を刷り込ませる為にね。

「何て顔をしている。メインディッシュはこれ
からだろう?次は大切な中原中也の番だよ。」
僕が話しかけると肩を震わせ、瞳を上げる。






・・・その瞳は予想とは違い意思あるモノだった。
まぁ予想範囲内だ。
ぼんやり思いながら観ていると、娘は異能を使い
分厚い鎖を簡単に引きちぎった。
昔はこの鎖をちぎれなかったのに・・・!
娘の成長程嬉しいものはないね。


「見ない間に強くなったとは」
「今直ぐあんたを殺す・・・!」
「下剋上なんて良いね。思い知らせてあげよう。」


_______________勿論、之も範囲内だよ。




























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「おい芥川!?返事しろ!おい!」
「敦君!芥川君!」

俺と太宰で部下の名前を呼ぶが応答が無い。
芥川君の「人虎・・・!!」という切羽詰まった声
以降インカムから二人の声が聞こえないのだ。

「何かあったのか!?」
「二人からの応答が有りません。」
「嘘だろ・・・」
名探偵が意気消沈した声を出す。
次に国木田という奴の声が耳を刺した。
「芥川龍之介もか!」
「うん、けどあの二人だ。きっと大丈夫だよ」
「くっ・・・だと良いんだがな・・・」

探偵社が中身のない話を始めたので俺はインカムをのスイッチを切り、近くを捜索することにした。
一刻も早く羽那を助けてやりたいと強く思いながら階段を上り、4階と書かれた横を通る。

一つしか無い扉を開けズカズカと中へ入ると部屋は随分と大きく、コンクリートが剥き出しであった。

部屋には、血痕、肉片、指や耳等が落ちてある。

拷問部屋か?にしては広い気が・・・





「あ、そう云えば姐さん大丈夫?死んでない?」

いつの間にか他の探偵社と話を終わらせた太宰が
追い付いて来るなり物騒な話をし出した。

「死ぬ訳ねェだろうが」
「だって任務先で爆破に巻き込まれたんでしょ?
なのに死なないなんて流石中也をお世話していた
だけはあるね。」
「自分が死ねねぇからって嫌味ったらしく言うな。
・・・あと姐さんは骨にヒビが入っちまった。」
「代わりに中也が殺られれば良かったのにー」
「るせェ肉片にするぞ」
「死に方が美しくないから却下。」
「犬に噛まれて死ね」
「痛いから却下。」

よしキリがないので無視をすることにしよう。

決めた俺は視線をずらす。

すると太宰の左後ろの壁に大きくて枠が綺麗な
鏡があった。
こんな処に置くなんて場違いだろうと思いながら
鏡の前に立ちまじまじと見る。

少し色褪せた金色の枠、そこに細かな柄が施されて「良く出来てンなァ」と感想を零し羽那を探す続きをしようとした瞬間、違和感が身体を駆け巡った。


・・・今、鏡に誰が映った?俺じゃなかったぞ?

太宰の野郎でもなかった・・・・・・・・・!



敵だ、と思った俺は鏡に視線を戻す。










見ると見知らぬ男が鏡の中に立っていて・・・
















_______________クソッ異能だッ・・・





其奴と目が合った瞬間、俺は目を合わせたことを
後悔しながら意識を失った。