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第29話

如何して、貴方は・・・。
「中也さん!!」
やっと見つけた彼は私の声が聴こえている筈
なのに人混みの中へと進んで行く。
「待って下さい!」
追い付いて肩を掴んだ。
だが直ぐに払われた挙げ句舌打ちをされてしまう。
「あれは誤解です!」
「ハッ、二人で見つめ合っていた癖にか?」
「だからあれは・・・!」
「今夜は芥川に襲われんのか」
「え・・・?」
「丁度良いじゃねぇか。序に俺に触られた所を上書きして貰えば先日の朝の出来事は無かったことになるぜ?」
乾いた笑みで、
どうでも良さそうな顔で、
心にチクリと来る言葉を浴びせられた。
「な、何で・・・そんな事言うんですか・・・」
「退け」
「・・・わ、私は・・・」
「早く退け。」
「・・・・・・」
これ以上聞きたく無かった。
でも、脚がすくんで動かない。
すると中也さんはイライラした様子で
「上司の命令が聴けねぇのか?」と言う。
「・・・・・・」
何か言いたいが言葉が出ない。
喉が乾いて声が発せられないのだ。
然して、言われてしまった。
「今、俺は手前の顔なんざ見たくねぇんだよ」
ハッキリと中也さんが言った一言。
この一言が何より心をえぐる。
「・・・ごめんな・・・さい」
「・・・・・・」
途切れ途切れの私の謝罪は届かなかったのか無言のまま彼は私の横を通り過ぎて行ってしまった。







































































言われてしまった。

”手前の顔なんざ見たくねぇんだよ”と。

言わせてしまった。

普段そんなことを言う筈無い人に。

それだけ、邪魔だったんだ。

私のことが。
































































私、中也さんのことが・・・
それなのに、如何して貴方は・・・。